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粘膜
「粘膜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
粘膜の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
、やってきたらしい。 何か、喚く声がする。胡椒臭い、刺戟性の瓦斯が、微かに、鼻
粘膜を、擽った。 (塩化ピクリンか!) 東山少尉は、腰をひねると、防毒マスクを....
「ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
ず、喫いも呑みもせぬのにどうして中毒が起ったか。その答は、たった一つある。曰く、
粘膜という剽軽者さ」 そういわれた瞬間、私の眼底には、どういうものか、あのムチ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
トラモニヒナス(註)――ほとんど稀集に等しい植物毒だろうと思うからだよ。それが鼻
粘膜に触れると、狂暴な幻覚を起すのだから、最初明治二十九年に伝次郎事件、それから....
「流線間諜」より 著者:海野十三
は首を振って、「ごらんにならなかったでしょうか、あの婦人の口腔の中の変色した舌や
粘膜を。それから変な臭いのすることを。――あれだけのことがあれば、頓死とはいえま....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
。お千殺しの現場に落ちていた血痕も、これを顕微鏡下に調べてみれば、そこに特徴ある
粘膜の小片が発見されたに違いなかったのである。さもなければ分析試験を俟って多量の....
「喫煙四十年」より 著者:寺田寅彦
れは明らかに純粋な味覚でもなく、そうかと云って普通の嗅覚でもない。舌や口蓋や鼻腔
粘膜などよりももっと奥の方の咽喉の感覚で謂わば煙覚とでも名づくべきもののような気....
「反抗」より 著者:豊島与志雄
り効果あるべき道理である。その上俺は元来胃腸が非常に悪い。薬の内用に依って、胃腸
粘膜の鬱血を散じてその働きを佳良ならせるならば、一挙両得というべきである。その上....
「女客一週間」より 著者:豊島与志雄
いる。腸の中に、恐らく天麩羅の蝦が停滞して、足ぶみをしてるのだ。そのたびに、腸の
粘膜が痛み出す。そして脳味噌の中には、酒の滓が沈澱していて、重苦しい。彼は眼を開....
「ヒロシマの声」より 著者:豊島与志雄
不思議な死に方をした。嘔気、頭痛、下痢、発熱……次で、脱毛、下痢、高熱……次で、
粘膜出血、白血球減少……。火傷の痕はみなケロイド状で、皮膚が盛り上ってゴムを塗り....
「絶縁体」より 著者:豊島与志雄
下すのが困難になり、次で呼吸も困難になった。医者が呼び迎えられた時は、もう、喉の
粘膜に白い義膜が厚く拡がり、心臓も弱っていた。注射や其他の手当も効目がなかった。....
「夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
「見給え、水分が少しもない。そして、恰度木を擦っているようじゃないか。大体屍体の
粘膜と云えば、死後に乾燥するのが通例だろう。だが、二時間やそこいらで斯んなに酷い....
「触覚の世界」より 著者:高村光太郎
烟はけむったい油煙に過ぎず、百合花の花粉は頭痛を起させる。嗅覚とは生理上にも鼻の
粘膜の触覚であるに違いない。だから聯想的形容詞でなく、厚ぼったい匂や、ざらざらな....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
・ジョンソンは、ブラウントにこんな話をしている。 「彼女には、男性を受けつけない
粘膜があるので、幾度愛戯を試みてもだめなのだ」ベンの無責任な言葉には、もちろんな....
「日を愛しむ」より 著者:外村繁
「お父さん、怖かった」 「どうした」 「また、何やら、できたらしい。傷口の中の
粘膜、採られちゃった」 「そうか。しかしくよくよ思ったって始まらないよ」 「でも....
「オスカー・ブロズキー事件」より 著者:妹尾アキ夫
るだけなんです。」 そういって、ソーンダイクは鉗子で死人の唇をもちあげて、その
粘膜や歯並をのぞきこんでいたが、 「ジャーヴィス君、レンズをかしてくれたまえ。」....