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粧
「粧〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
粧の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
しょうか。」
「いい事?」
「ええ」
女は、顔を次郎のそばへ持って来た。うす化
粧のにおいが、汗にまじって、むんと鼻をつく。――次郎は、身のうちがむずがゆいほど....
「春」より 著者:芥川竜之介
た。
「それでもうおしまいだわ。」
三
広子《ひろこ》は化
粧道具や何かを入れた銀細具《ぎんざいく》のバッグを下げたまま、何年《なんねん》に....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
《おびや》かされずにはいられませんでした。しかもあの女権論者は、骨立った顔に薄化
粧をして、絶えず襟を気にしながら、私たちのいる方へ――と云うよりは恐らく隣の縞の....
「袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
んち》の己よりも、より破廉恥な女に見えた。乱れた髪のかかりと云い、汗ばんだ顔の化
粧《けしょう》と云い、一つとしてあの女の心と体との醜さを示していないものはない。....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
階の寝室を離れなかった。が、四時頃やっと床《とこ》を出ると、いつもより念入りに化
粧をした。それから芝居でも見に行くように、上着も下着もことごとく一番|好《よ》い....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
う》のモオタア・ボオトと五六間隔ててすれ違った。それは支那服の青年の外にも見事に
粧《よそお》った支那美人を二三人乗せたボオトだった。僕はこれ等の支那美人よりも寧....
「葱」より 著者:芥川竜之介
の代り間代《まだい》、米代、電燈代、炭代、肴代《さかなだい》、醤油代、新聞代、化
粧代、電車賃――そのほかありとあらゆる生活費が、過去の苦しい経験と一しょに、恰《....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
、不親切な所がいろいろある。現に今朝《けさ》なぞも病人にはかまわず、一時間もお化
粧《けしょう》にかかっていた。………
「いくら商売柄だって、それじゃお前、あんま....
「路上」より 著者:芥川竜之介
ような心もちさえした。
「今夜はすっかり遅くなってしまった。何しろ僕等の方は御化
粧に手間が取れるものだから。」
俊助と二言《ふたこと》三言《みこと》雑談を交換....
「或る女」より 著者:有島武郎
ちろん自分が行ってみるといい張った。
実はその日、葉子は身のまわりの小道具や化
粧品を調《ととの》えかたがた、米国行きの船の切符を買うために古藤を連れてここに来....
「或る女」より 著者:有島武郎
くさせた。
葉子はつやのくんで出したちょうどいいかげんの湯で顔を洗って、軽く化
粧をした。昨夜の事などは気にもかからないほど心は軽かった。葉子はその軽い心を抱き....
「久米正雄」より 著者:芥川竜之介
」とうたえる久米、真白草花の涼しげなるにも、よき人の面影を忘れ得ぬ久米、鮮かに化
粧の匂える妓の愛想よく酒を勧むる暇さえ、「招かれざる客」の歎きをする久米、――そ....
「狂女」より 著者:秋田滋
ない。で、この女はしょッちゅう寝かしっきりにされていて、身のまわりのこととか、化
粧の世話とか、敷蒲団を裏返すような時でもなければ、誰も彼女をその蒲団のなかから引....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
、早く解放されたのを喜んだ。 色男のイカバッドは少くとも三十分も余計にかけて化
粧した。いちばん上等な黒の洋服、といっても、じつは色のあせた一帳羅だったが、それ....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
」の言葉には驚嘆せずにはいられなかった。 「僕の家の土蔵の中には大砲万右衛門の化
粧廻しもある。」 大砲は僕等の小学時代に、――常陸山や梅ヶ谷の大関だった時代に....