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精を出す
「精を出す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
精を出すの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「道楽と職業」より 著者:夏目漱石
むかしかたぎ》の親の意見やまたは一般世間の信用などから云いますと、あの人は家業に
精を出す、感心だと云って賞《ほ》めそやします。いわゆる家業に
精を出す感心な人とい....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
支配人は、工人が給料に未練を残して、逃亡もしない。受取るまでは、諂うように仕事に
精を出す。――平生の見方をかえなかった。 支那人は、命よりも、金の方が大事なん....
「安重根」より 著者:谷譲次
姓は農業にいそしみ、商人は算盤大事に、学生は勉強をして、めいめい本分とする稼業に
精を出すことが第一です。この、韓国民の教育をはかるといる大目的のために、また一つ....
「極楽」より 著者:菊池寛
おかんは落着くと、夫と死に別れてから後の一部始終を話した。当代の宗兵衛が、家業に
精を出す事やら嫁のお文が自分に親切にして呉れたことやら、孫娘が可愛くて/\堪らな....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ば、もう少しよい人になったものでございましょうが、貧乏や何やかで、つい学問の方に
精を出すことができませんで、今となっては後悔《こうかい》先に立たずでございます、....
「みごとな女」より 著者:森本薫
ゃないの。 真紀 あなた、自分で、いけないって言われることがわかってれば、少しは
精を出すものよ。 あさ子 違うんだったら、母さん。お師匠さんはあたしを揶揄うのよ....
「初恋」より 著者:矢崎嵯峨の舎
、この勇ましい姿、活溌といおうか雄壮といおうか、その活溌な雄壮な風と自分が稽古に
精を出すのとを娘に見せてやろうと思ッた,それから武者修行に出る宮本|無三四のこと....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
許さない。お前はりっぱな音楽を書く方がよい。もしそれができなければ、音階や練習に
精を出す方がよい。国家的光栄を誹謗《ひぼう》したり人々の精神を混乱さしたりして喜....
「青鬼の褌を洗う女」より 著者:坂口安吾
サチ子さんも相手にしてくれないだろうなぞと考えて、ともかく裸ショウバイになんとか
精を出すように努めているのだ。こんな僕だから思いはいっぱいだけど、自分一人勝手の....
「可愛い女」より 著者:神西清
ガ・セミョーノヴナ、われわれの渡世って奴は。まったく泣きたくなりまさあ! 働く、
精を出す、うんうんいう、夜の目も寝ない、ちっとでもましなものにしようと考えづめに....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
匠の山県紋也の邸へ、内弟子として住み込んで、家事には忠実に働くし、剣道の稽古には
精を出すしするので、内でも外でも評判がよかった。ただし決して武士ではないし、とい....
「人狼」より 著者:岡本綺堂
すよ。 おいよ まったく冬はもう眼の前……。(娘等をみかえる。)それでも皆んなが
精を出すので、親御さん達は仕合せです。 善助 それもお前が気をつけて、よく仕込ん....
「樹氷」より 著者:三好十郎
請われてもそういう所へは行かないようでした。そして毎日コツコツ田圃仕事や畑仕事に
精を出すだけで、ただ五日に一度一週間に一度と、あの山小屋に行っては部屋の中の掃除....
「ねむい」より 著者:神西清
金に、鴉やカササギがとまっていて、赤んぼみたいに啼き立てては、みんなを起こそうと
精を出す。 「ねんねんよう、おころりよ、唄をうたってあげましょう……」と、ワーリ....