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「精力〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

精力の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
で、下顎骨《かがくこつ》の張った頬のあたりや、やや大きい口の周囲に、旺盛な動物的精力が、恐ろしいひらめきを見せていることは、ほとんど壮年の昔と変りがない。 老....
二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
、どうしてこの超自然な事実を、御承認になる事が出来ましょう。どうして、この創造的精力の奇怪な作用を、可能視なさる事が出来ましょう。それほど、私が閣下の御留意を請....
或る女」より 著者:有島武郎
骨《ろこつ》に現わし始めた。後ろから見た木部は葉子には取り所のない平凡な気の弱い精力の足りない男に過ぎなかった。筆一本握る事もせずに朝から晩まで葉子に膠着《こう....
或る女」より 著者:有島武郎
》の板となって縦に薄暗さの中を区切っていた。いつもならばまっ赤《か》に充血して、精力に充《み》ち満ちて眠りながら働いているように見える倉地も、その朝は目の周囲に....
私の父と母」より 著者:有島武郎
育つだろうかと心配されたそうだが、私が知ってからは強壮で、身体こそ小さかったが、精力の強い、仕事の能《よ》く続けてできる体格であった。仕事に表わす精力は、我々子....
小さき者へ」より 著者:有島武郎
賜物《たまもの》のように思わねばならぬのか。家庭の建立《こんりゅう》に費す労力と精力とを自分は他に用うべきではなかったのか。 私は自分の心の乱れからお前たちの....
二つの道」より 著者:有島武郎
そして鉛色の野の果てからは、腐肥をあさる卑しい鳥の羽音が聞こえてくる。この時人が精力を搾《しぼ》って忘れようと勉《つと》めた二つの道は、まざまざと眼前に現われて....
広津氏に答う」より 著者:有島武郎
ろうと、いっこうそれを気にしない。そうして自己独得の芸術的感興を表現することに全精力を傾倒するところの人だ。もし、現在の作家の中に、例を引いてみるならば、泉鏡花....
水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
れない。 自分は一日大道を闊歩しつつ、突然として思い浮んだ。自分の反抗的奮闘の精力が、これだけ強堅であるならば、一切迷うことはいらない。三人の若い者を一人減じ....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
情をすらささげねばならぬ悲しい人生の事実だ。あるがままの実相だ。 パンのために精力のあらん限りを用い尽くさねばならぬ十年――それは短いものではない。それにもか....
」より 著者:池谷信三郎
か、皆んなその中に熔かしこんでしまうようにね。そこへ行くと自分たちは主義の仕事が精力の九割を割いている。後の一割でしか恋愛に力を別たれない。だから、自分たちは一....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
し僅々三十五時間で逝いた。二十余年に亘り、斯学の為めに心血を灑ぎ、あまりの奮闘に精力を竭尽して斃れた先生は斯学における最大の偉勲者であることは曰う迄もない。 ....
九龍虫」より 著者:上村松園
うじゃうじゃうごめいている小さな箱をみせてくれた。 九龍虫という虫で、なかなか精力のつく薬虫だとその医者は説明してくれた。 私は二、三十匹もらって桐の箱に入....
不周山」より 著者:井上紅梅
でこんなに退屈したことはない」彼女はそう思いながら、スッと立ち上り、その丸々した精力の満ち溢れた臂を伸ばして、天に向かって大きな欠伸をした。天空はたちまち一変し....
雑文的雑文」より 著者:伊丹万作
安い原稿料でかせがされる。 資本家が認めて相当の値で買つてくれる時分には作家は精力を消耗してかすみたいになつてしまつている。 私のごときものが現に相当の報酬....