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精算
「精算〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
精算の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鰊漁場」より 著者:島木健作
金ニ利子ヲ附シ即時本人又ハ保証人ヨリ弁償スベシ。漁場到着後ナルトキハ、日割ヲ以テ
精算ノコト。」木村はたった今帳場からこの第十条をくどいほど説明されて来たのである....
「親子」より 著者:有島武郎
なって、農場がようやく成墾したので、明日は矢部もこの農場に出向いて来て、すっかり
精算をしようというわけになっているのだ。明日の授受が済むまでは、縦令永年見慣れて....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
の創造を考えることも不可能である。この点についても、自然科学によって諸概念がまだ
精算されなかったころの哲学者の頭には曖昧な観念が浮動していた。デカルト、ビュッフ....
「食魔」より 著者:岡本かの子
方だろう」「この辺で節季の勘定を済すかな」笑いながらそういった。それから身の上の
精算に取りかかった。店を人に譲り総ての貸借関係を果すと、少しばかり余裕の金が残っ....
「共軛回転弾」より 著者:海野十三
場のおどろきを胡魔化す。 「勘定をしてくれ。いくらだい」 チーア卿は、几帳面に
精算をし、小銭の釣銭までちゃんと取って、街を向うへふらふらと歩いていった。 「う....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
は注目に値いする。無論譬喩は要するに譬喩であって、公的に科学的な観点からは次第に
精算されて行くものではあるが、併しこの譬喩によって案外自然科学的世界像も成り立つ....
「文化祭」より 著者:坂口安吾
。ごらんのようにテンヤワンヤで、売上げがどうなったやら、会計も行方不明で、今日は
精算ができませんので、とりあえず、帰りのバスと汽車賃、バス代二十五円の汽車賃二百....
「我が人生観」より 著者:坂口安吾
ある。私は元来物質主義者だ。精神などというものも、物質に換算できる限り、換算して
精算した方が、各人に便利でもあり、清潔でもあるし、幸福でもあると考えている。クサ....
「映画と民族性」より 著者:伊丹万作
つたかわりに映画はそのとき始めて確実に民族のふところにかえつたのである。浮浪性を
精算して深く民族の土に根を降し始めたのである。これを退歩と見るか進歩と見るかは各....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
、偶々軍需景気の倖運児の妾となったが、元来妾という裏切り行為を屑とせず、断然之を
精算して、自ら進んで名家の正妻となったけれども、散々苦労の末、遂に破鏡の憂目に遭....
「二・二六事件に就て」より 著者:河合栄治郎
戦線が十数年来無意味の分裂抗争に、時間と精力とを浪費したる後、漸く暴力革命主義を
精算して統一戦線を形成したる時、右翼の側に依然として暴力主義の迷夢が低迷しつつあ....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
た。師匠の手に渡ると、造作を仕直し充分に手入れを致しましたが、これらの費用一切を
精算して七百円で上がりました。当時江戸の仏師の店としてはなかなか立派なものであり....
「増上寺物語」より 著者:佐藤垢石
りであった。 古典の滋味 こうして諸侯へ貸しつけた箪笥に二棹の証書を
精算したら恐ろしい額に達するのであろうが、これが維新の布令が出ると同時に悉くフイ....
「バットクラス」より 著者:岡本かの子
からフランス人のブローカー等を断然しりぞけてしまった。彼は残金と消費額とを厳重に
精算した。そして先ず彼の相続税を予算して彼の死後の処まできめてしまった。これも彼....