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「精米〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

精米の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
あらくれ」より 著者:徳田秋声
連れられて、つい二三町ほど隔っている大家の家へ遊びに往った。そこはこの町の唯一の精米所でもあり、金持でもあった。大きな門を入ると、水車仕掛の大きな精米所が、直に....
めくら草紙」より 著者:太宰治
がぼんぼん鳴りはじめた。私は不具の左脚をひきずって走る。否、この男は逃げたのだ。精米屋《せいまいや》は骨折り、かせいで居る。全身を米の粉でまっしろにして、かれの....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
穀物問屋がありまして、主人は代々久兵衛と名乗っていたそうですが、その久兵衛の店に精米用の大きい水車が仕掛けてありました。この水車を山城の淀川の水車にたとえて、淀....
浮動する地価」より 著者:黒島伝治
神経な動物のように野良で働きつゞけた。働くということ以外には、何も考えなかった。精米所の汽笛で、やっと、人間にかえったような気がした。昼飯を食いにかえった。昼か....
冬の花火」より 著者:太宰治
あ私の間の悪さはどんなだったか、察して下さい。私はそれから人が変りました。うちの精米場の手伝いもあまりしなくなりました。煙草の味も覚えました。酒を飲んで人に乱暴....
」より 著者:徳田秋声
下の炉傍へ来て、酒をつけてもらったりした。炉傍には、時々話し相手にする町の大きな精米場の持ち主も来て坐っていた。 翌朝九時ごろに、階下へ顔を洗いに行った時、笹....
十二支考」より 著者:南方熊楠
すます『最勝』を讃《ほ》む。法蓮は変な事と一瓢を破り見れば中に粒大きく雪ほど白い精米五斗あり、他を剖いて見るに毎瓢同様なり。因って諸人に示し『法花経』に供え諸僧....
贋紙幣事件」より 著者:甲賀三郎
云った。「この近所に動力を使っている所がありますか」 「ああ、あるよ。この向うの精米所と、それからこっちの機織場と。妙な事を聞くね」工夫の一人は不審そうに森君を....
百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
まあ、何とかして地殻設備は完全にするつもりだ、一たい農業も、自家で取り上げた穀を精米所へやって搗かせるのでは徹底しない、砂を入れて搗くとか、ゴムロールは胚芽の精....
山吹の花」より 著者:豊島与志雄
髪は半白で、顔中皺だらけだが、背が高くて頑丈そうだった。乾物問屋のワカメ束ねだの精米所の麻袋繕いや飯焚きだのに働いたこともあるそうだ。だが、言葉は丁寧で、料理の....
外米と農民」より 著者:黒島伝治
ることゝ心待ちに待っていたが、四五日しても挨拶がない。買って来たのは玄米らしく、精米所へ搗きに出しているのが目につく。ある一人の女が婉曲に、自分もその村へ買い出....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
》と下飼人《したがいにん》が常住《じょうじゅう》にそこにつめていて、毎日三度ずつ精米五合をまき、代地におりてきた鶴をならす。 飼いならすのにいろいろな方法があ....
瘠我慢の説」より 著者:木村芥舟
特に駕を抂られ、枕辺にて厚く家人に看護の心得を諭され、その上、予が自から搗きたる精米あり、これは極古米にして味軽く滋養も多ければ、これを粥としまた鰹節を煮出して....
不在地主」より 著者:小林多喜二
経営している「ホテル」にいる。――岸野は雑穀、海産、肥料問屋、ホテル、××工場、精米株式会社を経営し、取引所会員、拓殖銀行其他の株主、商業会議所議員、市会議員を....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
大阪の市中を走り回り、煙突のあるところをみれば石炭の売込みに飛び込んだ。ふろ屋、精米所、ガラス屋から、日立造船の前身である大阪鉄工所、稲畑染工所、尼崎汽船などの....