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「精粋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

精粋の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
」はさきにもいったように字通りの「意気」である。「気象」である。そうして「気象の精粋」の意味とともに、「世態人情に通暁すること」「異性的特殊社会のことに明るいこ....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
しそれでいて逼って来る力は何んとも云えず強かった。ほとんど無駄事は云わなかった。精粋ばかりで物を云った。ちょうどさまざまの騒音の中から一筋清涼たる笛の音が律呂正....
備忘録」より 著者:寺田寅彦
ェンのソナタであれば、これはじゃかじゃかのジャズ音楽である。これも日本固有文化の精粋がアメリカの香のする近代文化に押しのけられて行く世相の一つであるとも言いたく....
平凡」より 著者:二葉亭四迷
、私は大好きだ。新内でも、清元でも、上手の歌うのを聴いていると、何だか斯う国民の精粋とでもいうような物が、髣髴《ほうふつ》として意気な声や微妙な節廻しの上に顕《....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
形だの、と。 冬の聖モリッツは、両大陸の流行の大行列だ。 倫敦と巴里と紐育の精粋が、ウィンタア・スポウツに名を藉りて一時ここに集注される。 ――大小の名を....
鵞湖仙人」より 著者:国枝史郎
では無くて、仙術の本という可きである。 で、真実の妖術書といえば、その枹木子の精粋を取り、更に他方面の説術を加味した「南宗派乾流」という本なのである。 ....
映画と民族性」より 著者:伊丹万作
ではない。 かつて安田靱彦は黄瀬川の陣に相会する頼朝義経の像を画いて三代美術の精粋をうたわれたが、殊に図中頼朝の坐像の美しさは比類がない。また、室町期以降の多....
地上」より 著者:島田清次郎
られない夜に限って自分が痩せ衰えてしまったように考えられ、搾木にかけて毎夜心身の精粋を絞りとられる地獄だと考えられ、そうしてそのさきには真黒な死が手を伸ばしてつ....
美の日本的源泉」より 著者:高村光太郎
像彫刻が、鎌倉期の中興を経てついに再び廃頽堕落するに至った室町時代に及んで、その精粋が思いがけない能面のようなものに移り、此所に又別途の新らしい美を創り出した事....
運命のSOS」より 著者:牧逸馬
新設備を集めて、調度、装飾、まことに善美を尽したものだ。世界に誇る英国造船技術の精粋《クリーム》――排水量六万噸と言うから、実際、当時に於てはずば抜けていた。因....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
た。『平凡』の一節に「新内でも清元でも上手の歌うのを聞いてると、何だかこう国民の精粋というようなものが髣髴としてイキな声や微妙の節廻しの上に現れて、わが心の底に....
山道」より 著者:中里介山
は、よくは知らないが、これは最近の建築に成り殊にその建築が学術上、技術上の当代の精粋を尽したものと見て差つかえないと思います、それが脆《もろ》くも焼け尽して木造....
江戸芸術論」より 著者:永井荷風
《いせものがたり》』を以て国文中の真髄となし、芭蕉と蜀山人の吟咏を以て江戸文学の精粋なりとなせり。もしこれに注釈を施すとせんか正にわが邦《くに》古今の文学に渉《....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
おそらく八百年前後このあたりは、熊野本宮の社殿を中心に、仏舎堂塔も、平安朝建築の精粋を極め、仮御所や社家僧房から随身の旅館、雑色たちの泊る聚落までを加えて、さな....