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精細
「精細〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
精細の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「私の父と母」より 著者:有島武郎
をする場合にも、実際はないことを、自分では全くあるとの確信をもって、見るがごとく
精細に話して、時々は驚くような嘘《うそ》を吐《つ》くことが母によくある。もっとも....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
カルデアの僧侶たちの占星術はなかなか行届いたものであった。彼らは毎日の星の位置を
精細に記録し、また直後の未来におけるその位置を算定することさえできた。いろいろの....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
ものは、五千銭をついやして胸から腹へかけて一面に山水、邸宅、草木、鳥獣のたぐいを
精細に彫らせていた。 かれらも無論に撃ち殺されたのである。その以来、市中で刺青....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
おかねばならぬ。 さて、滝太郎がその可恐しい罪を隠蔽しておく、温泉の口の辺で、
精細|式のごときモウセンゴケを見着けた目は、やがてまた自分がそこに出没する時、人....
「若草物語」より 著者:オルコットルイーザ・メイ
たちむかう、四人の姉妹の、それぞれちがった性格の描写は、まことに、明暗多彩、克明
精細、しかも、この一篇にみなぎる愛と誠とは、いかなる読者の心をも魅了し、感激させ....
「寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
われたので、大いに安心したというのも面白い。殊にその磯之丞の人品や服装について、
精細の描写をしているのを見ても、円朝の観察眼に敬服せざるを得ない。この磯之丞はよ....
「絹と紙の話と師弟の間柄の話」より 著者:上村松園
が、しかし紙本の味は又、下描きをした上から丹念に描いた一点一劃間違いのないような
精細確実な処にあるのではなくて、軽妙洒脱な筆の味ばかりでもなく、時には筆者さえも....
「ある恋の話」より 著者:菊池寛
だとか、町人の家庭の年中行事だとか、色々物の本などでは、とても見付かりそうもない
精細な話が、可なりハキハキした口調で、祖母の口から話されました。私が熱心に聞く上....
「甲州郡内妖怪事件取り調べ報告」より 著者:井上円了
こと明らかなり。 よって、予のこの怪事研究の第一着として、かの少女の身上につき
精細なる観察を下し、かつ適当なる試験を行わざるべからずと思惟し、まず杉本氏につき....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
えて帰郷の途に就いた。 富山へ来ると、例の噂が既う一面に拡っていて、各新聞にも
精細の記事が掲げられていた。読んで見ると成ほど大変である。が、彼は其の大変に驚く....
「「ケット」と「マット」」より 著者:喜田貞吉
であろう。 山人の伝説は各地に伝えられている。それについてはかつて柳田國男君の
精細な研究が発表せられた事があり、自分もかつて鬼筋に関連して民族と歴史の誌上で説....
「法隆寺再建非再建論の回顧」より 著者:喜田貞吉
令の常用尺なる唐尺を以て測っては、到底完数が得難いものであるとの新事実を、極めて
精細なる数字を以て割り出されたものであった。これは確かに従来の水掛論の上に一歩を....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
尽せし故、一日に百六十九マイルずつを急行したる割合なり。かかる電光的旅行なれば、
精細の観察は到底望むべからず、ただ瞬息の間に余の眼窓に映じたる千態万状を日記体に....
「文章を作る人々の根本用意」より 著者:小川未明
較的冷静を保ち得る経験の一つである。 われ/\は日常触目する事を物々に対して、
精細に見ることを努めはじめるがいい。議論よりも実際に就くべき問題である。 思索....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
の存在を知ることが出来たなら、続いて死の根本の意味を、私がここで述べたよりもっと
精細に、確然と了解されると思います。そこではじめて人間は安心して死に得ると信じま....