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精読
「精読〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
精読の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
れる所も妙に打算的な所が離れ切らないと葉子に思わせるような内容だった。葉子は一々
精読するのがめんどうなので行《ぎょう》から行に飛び越えながら読んで行った。そして....
「自分だけの世界」より 著者:辻潤
分の力だけのことしきゃ出来ないのだから。しかしどうかしてこの書を一字一句余さずに
精読(実際自分のような「手から口へ」の生活者には翻訳でもする以外にはそんな余裕は....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
問に応用することができる、数多くの本を、いろいろざっと見流すよりたった一冊の本を
精読する方がいい。 おれが受験から帰ってくると先生はぼくを待ちかねている、おれ....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
まだそうした僻見の捕虜となっているものが、なかなか多いらしいから、特にこの一章の
精読を希望して止まぬ次第である。 第六章 夫婦関係 問『夫婦の関係は....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
たより刑期も延びて、別に急がぬ旅になったことだから、その後は大いに牛歩をきめて、
精読また
精読している。イタリア語も、後に差入れた文法の方が、よほどいいように思わ....
「学生と読書」より 著者:倉田百三
るほど首引きするのこそ指導書である。 広く読書することも必要であるが、指導書を
精読することは一層大切である。 それは問題の所在と、その難点とを突き止め、これ....
「世界的」より 著者:太宰治
由であるが、その「キリスト伝」には、こと新しい発見も無い。聖書を一度、情熱を以て
精読した人なら、誰でも知っている筈のものを、ことごとしく取扱っているだけであった....
「フシギな女」より 著者:坂口安吾
番平凡人を書いた人、健全な平凡人の平凡でまた異常な所業を書いた人、チエホフをなぜ
精読しないのだろう。本当の人間を書いた人はチエホフであろう。人間の平凡さをこれぐ....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
せいぜい原稿紙二枚ぐらいの短文である。ところがそのたった八百字ぐらいの短文すらも
精読を欠き、相手の意あるところを読み誤って、勝手にきめつけていらッしゃる。前掲の....
「自作肖像漫談」より 著者:高村光太郎
男の胸像であった。相州二の宮の園田男別邸へ写生に行ったり、その著書「赤心一片」を
精読したりしてほぼ見当をつけて作った。男は長く十五銀行の頭取だった人で、戦時献金....
「美術学校時代」より 著者:高村光太郎
ようのない驚きを感じた。又丸善でモオクレエルの「ロダン伝」を見つけ、その本を実に
精読したものだった。これをロジンだと言いロデンが本当だと言い或は気狂いだなどとも....
「子規居士と余」より 著者:高浜虚子
たのであった。けれども居士がしみじみと古白君の死を考えたのは秋帰京してその遺書を
精読してからであった。「古白|逝く」という一篇の長詩は『日本人』紙上に発表された....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
あれだけの感じは到底出ないと存候。あれは多少分らぬ処が面白い処と存候。あれを三返
精読して傑作だというてくれたものが中川芳太郎君であります。それだから昨日中川君と....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
はその手段の一つとしての禅の研究を思い附き、『禅門法語集』や『白隠全集』を頻りに
精読し、禅宗の雑誌まで購読し、熱心鋭意して禅の工風に耽っていた。が、衛養療法や静....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
の目に映ずるので、再びその毛坊主考を繰り返してみる気になった。そこでさらにこれを
精読してみると、前にはうわの空で見過ごしていたことにも、なかなか面白い研究が少く....