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「糞壺〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

糞壺の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
へ行った。 そして彼は、その汚《よご》れた着物を洗う間に、「もし神があるなら、糞壺《ふんつぼ》にこそあるべきだ」と思った。 「なぜならば、もし神や仏があるとし....
蟹工船」より 著者:小林多喜二
えた。夜近くなってきた。しかし時化は止みそうもなかった。 仕事が終ると、皆は「糞壺」の中へ順々に入り込んできた。手や足は大根のように冷えて、感覚なく身体につい....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
けた破れ唐紙が二枚、蠅の卵のへばりついた六畳一間の天井と、土間の崩れた一つ竈と、糞壺の糞と、おはぐろ色した溷の汚水と、其外あらゆる塵芥を残して、先住は出て往った....
十二支考」より 著者:南方熊楠
から、魅力すなわち恐怖とも言えぬ。 明治十九年秋、予和歌山近傍岩瀬村の街道傍の糞壺の中に、蛙が呻《うめ》くを聞き、就《つ》いて見ると尋常《なみ》の青大将が、蛙....
現代小説展望」より 著者:豊島与志雄
見えた。夜近くなってきた。然し時化は止みそうもなかった。 仕事が終ると、皆は「糞壺」の中へ順々に入り込んできた。手や足は大根のように冷えて、感覚なく身体につい....
呪われの家」より 著者:小酒井不木
仰せの通り掃除口の検査をしましたら、意外にも重大な手がかりを得ました。先ず第一に糞壺の中に、嘔いた物が沢山ありました」 「君はそれをどう思う?」 「妊娠した女の....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
便所と同日に談ずべくもなし、ただ大道上に一空地を劃し低き土壁を繞らしたるのみにて糞壺もなければ小便|溜もなく皆|垂流しなり、然れども警察の取締皆無のため往来の人....
上海」より 著者:横光利一
ろりとしている鱶の鰭が、無表情なボーイの捧げている皿の上で跳ね上ったまま、薄暗い糞壺を廻って運ばれて来た。参木は立ち上ると、欄干を掴んで下の通りを見降ろした。人....
三国志」より 著者:吉川英治
しおったな。だが、鼠にはなお人に近い性がある。気の毒だが、おまえ方はまず糞虫だ。糞壺にうごめく蛆虫としかいえんな」 「なにをッ」 戟戛して、つめよる諸将を、荀....