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糞尿
「糞尿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
糞尿の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「尼提」より 著者:芥川竜之介
いり》だけは便器の中に用を足し、特に足を労することをしない。しかしこの便器の中の
糞尿《ふんにょう》もどうにか始末《しまつ》をつけなければならぬ。その始末をつける....
「さようなら」より 著者:田中英光
ら」をしてしまったので、別離の悲哀に無感覚になったばかりか、緊張病の狂人が自分の
糞尿を愛惜するような倒錯心理に似て、自分にいちばん苦痛を与える別離の悲しさを、苦....
「河明り」より 著者:岡本かの子
それは精力的に手の込んだ建築であった。 虚空を頭とし、大地を五体とし、山や水は
糞尿であり、風は呼吸であり、火はその体温であり、一切の生物無生物は彼の生むところ....
「聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
法水は困ったような表情をしたが、すぐ着衣を脱がして屍体の全身を調べ始めた。微かに
糞尿を洩らしているだけで、外傷はもちろん軽微な皮下出血の跡さえ見られない。が、腹....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
連中も俺を追ってくるだろう。橇犬の嗅覚は、磁石よりも鋭い。奴らは、前に往った犬の
糞尿や凍傷の血の滴りを、なん月後でもちゃんと嗅ぎ分けるから……」 しかし、この....
「島原の乱」より 著者:菊池寛
生木生草を焼いて、寄手の地下道をくすべて居たのであった。 其後、この地下道へ、
糞尿を流し込んで、寄手をして辟易せしめたりした。楠流の防戦ぶりには信綱以下大いに....
「狂乱」より 著者:近松秋江
私、あの娘にあんな病気しられて、もう、どないしょうかと思うてます。同じ病気かで、
糞尿の世話をするくらいどしたら、わたし何ぼか嬉しいか知れしまへん。あの娘の病気の....
「原爆詩集」より 著者:峠三吉
火光の中に 下敷きのまま生きていた母や弟の町のあたりも 焼けうつり 兵器廠の床の
糞尿のうえに のがれ横たわった女学生らの 太鼓腹の、片眼つぶれの、半身あかむけの....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
に間違いのない世の中になる見込みはないんだ。汚ない譬えだが、われわれの体にたえず
糞尿がたまるようなものさ。さあ、そうなると、間違いは間違いなりで、全体の調和を保....
「ばけものばなし」より 著者:岸田劉生
する狂態が必ず、一致している。一つの法則を出ない、即ち、田を河の如くに渡るとか、
糞尿のために入って風呂をつかうような事をするとか、馬糞を牡丹餅として食うとか、皆....
「子規居士と余」より 著者:高浜虚子
に居士は眠った。居士の眼がさめたのはもう障子が白んでからであった。 まず居士は
糞尿の始末を妹君にさせた。その時、「納豆々々」という売声が裏門に当る前田の邸中に....
「まあまあ居士の弁」より 著者:浅沼稲次郎
に、黒マントを被った、柔道部、相撲部の連中が殴り込んで来た。中には、汚い話だが、
糞尿を投げるやつがある、あっちでも、こっちでも大乱闘が始まる。戸叶武君の如きは大....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
の壮士も侵入し、打つ、ける、なぐるの乱暴の限りをつくした。この間、暴力学生側では
糞尿を入れたビンを投げ、会場は徹底的に蹂躙された。われらは悲憤の涙にくれ、五月十....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
やつやしかった。角ががっしりして撓み、両耳が垂れ、そうして悠揚と突っ立っていた。
糞尿に黒く湿ったその床も、それでも帚の目がよく届いていた。青草のにおいもした。 ....
「特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
水場と云い、雪隠と云い、はばかりと云う名には、少しも不潔な意味はありません。もと
糞尿処という穢ない名を避けて択んだものでありますが、それが穢れた物に付いておって....