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「糟糠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

糟糠の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
人間失格」より 著者:太宰治
この人間の世の中に於いて、一生その意識に苦しめられながらも、しかし、それは自分の糟糠《そうこう》の妻の如き好|伴侶《はんりょ》で、そいつと二人きりで侘《わ》びし....
ナポレオンと田虫」より 著者:横光利一
ナポレオンはジェーエーブローの条約を締結してオーストリアから凱旋すると、彼の糟糠の妻ジョセフィヌを離婚した。そうして、彼はフランスの皇帝の権威を完全に確立せ....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
様に幾重も襞をなして口をあいた。あまり手荒い攻撃に、虎伏す野辺までもと跟いて来た糟糠の御台所も、ぽろ/\涙をこぼす日があった。以前の比較的ノンキな東京生活を知っ....
鵞鳥」より 著者:幸田露伴
話をしてその糸口を引出そうとしても、夫はうるさがるばかりであった。サア、まことの糟糠の妻たる夫思いの細君はついに堪えかねて、真正面から、 「あなたは今日はどうか....
明治美人伝」より 著者:長谷川時雨
と共に太ってゆく資産家野沢屋の旦那をつかまえたことであった。 野沢屋茂木氏には糟糠《そうこう》の妻があった。彼女は遊女上りでこそあるが、一心になって夫を助け家....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
らぞい》のことではない。吾人は道庵先生に親炙《しんしゃ》すること多年、まだ先生に糟糠《そうこう》の妻あることを知らない。よってこの先生が、枕添の有無《うむ》によ....
可能性の文学」より 著者:織田作之助
があり、そして坂田という人の一生を宿命的に象徴しているともいえよう。苦労を掛けた糟糠の妻は「阿呆な将棋をさしなはんなや」という言葉を遺言にして死に、娘は男を作っ....
徳育如何」より 著者:福沢諭吉
、前年の養子が朝野に立身して、花柳《かりゅう》の美なる者を得れば、たちまち養家|糟糠《そうこう》の細君を厭《いと》い、養父母に談じて自身を離縁せよ放逐せよと請求....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
妻」や「満妻」を持つような気分になってしまった。当時の成上りの田舎侍どもが郷里の糟糠の妻を忘れた新らしい婢妾は権妻と称されて紳士の一資格となり、権妻を度々取換え....
私本太平記」より 著者:吉川英治
だ。 その契りは、比翼の鳥もおろかと思い、つねに生死と紙一ト重な敵中で、いわば糟糠の妻振りを、かたむけつくしていたのである。 それには、帝もあたまが上がらな....
私本太平記」より 著者:吉川英治
のみでなく、こまかいご注意をすすめていた。そのいそいそしさ、良人の晴れの日を見た糟糠の妻の風がある。 中一日の御逗留のまに、 「御衣もこれでは。……お帝冠も、....