糠星[語句情報] » 糠星

「糠星〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

糠星の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いころに、彼は再び手拭に顔をつつんで暗い墓場の奥へ忍んで行った。宵闇空には細かな糠星《ぬかぼし》が一面にかがやいて、そこらの草には夜露が深くおりていた。大きい石....
魔王物語」より 著者:田中貢太郎
ら蹄の方をすかしながら妖怪が来てそれにかかるのを待っていた。宵闇の空は薄く曇って糠星が一つ二つ淋しそうに光っていた。 夜は次第に更けて来た。冷たい風が首筋を撫....
竹本綾之助」より 著者:長谷川時雨
人気者であったが、玉之助が出現して、麒麟児の名を博してからは、月に光りを奪われた糠星《ぬかぼし》のように影が薄くなってしまった。それかあらぬかこの大入りの興行が....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
り、大悟の眼をふさいで、もう生きる気も捨て、死ぬ気もすて、颯々と夜を吹くかぜと小糠星の中に、骨の髄まで、冷たくなってしまったもののようであった。 ……すると、....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
なのだ。――その石舟斎に、いや武蔵のような無禄無名の一放浪者にくらべれば、月と小糠星ほども格のちがう大先輩に見参に入るのだ。 襟をただし、髪を撫でるのは、当然....