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糶り
「糶り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
糶りの前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「死者の書」より 著者:折口信夫
た様になって、悲鳴を続けた。谷から峰の上に生え上って居る萱原は、一様に上へ上へと
糶り昇るように、葉裏を返して扱き上げられた。 家の中は、もう暗くなった。だがまだ....
「絶景万国博覧会」より 著者:小栗虫太郎
色が現れていた。歯が一本残らず抜け落ちているので、口を結ぶと、そこから下がグイと
糶り上って来て、眼窪までもクシャクシャと縮こまってしまい、忽ち顔の尺に提灯が畳ま....
「前記天満焼」より 著者:国枝史郎
知れたことで。……だが日当不足となら、清水の舞台から飛んだつもりで、一日十両まで
糶り上げましょう。これでは御不満ありますまいな。手を拍ちましょう、シャンシャンシ....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
あおりはいよいよ激しくなるばかしである。ともすると、艀が舷側のブリッジの中程まで
糶り上って、ガチガチとやると、すっと堕ち込んで離れてしまう。 「そおれ、あぶない....
「懸巣」より 著者:室生犀星
が、すこし首をかしげて不思議極まる顔附で聞き入りながら、自分でも耐えられずに何か
糶り合うように啼き出すのである。彼女の耳は蓋のない四号活字くらいある穴があいてい....