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「糶売〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

糶売の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
《ただ》持って行ってしまった。父の書斎道具や骨董品《こっとうひん》は蔵書と一緒に糶売《せりう》りをされたが、売り上げ代はとうとう葉子の手にははいらなかった。住居....
武蔵野」より 著者:国木田独歩
いている。いろいろの野菜が彼方此方に積んで並べてある。これが小さな野菜市、小さな糶売場《せりば》である。 日が暮れるとすぐ寝てしまう家《うち》があるかと思うと....
街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
けたところで一丈五尺一円二三十銭から三四円まで)、ガスの靴下やメリヤスのシャツの糶売《せりう》り(前同様で一円から四五円まで)、銀台|鍍金《めっき》の銀眼鏡と鎖....
新版 放浪記」より 著者:林芙美子
った。――八つの時、私の幼い人生にも、暴風が吹きつけてきたのだ。若松で、呉服物の糶売《せりうり》をして、かなりの財産をつくっていた父は、長崎の沖の天草《あまくさ....
古狢」より 著者:泉鏡花
、袖の飛模様も千鳥に見える。見ると、やや立離れた――一段高く台を蹈んで立った――糶売の親仁は、この小春日の真中に、しかも夕月を肩に掛けた銅像に似ていた。 「あの....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
の功徳《くどく》を述べる口の下から、一巻についていくら、十巻以上は割引……まるで糶売《せりうり》のような景気。でもなかなか売れるようでしたから、ずいぶんお金儲け....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
す、串戯じゃない。 第一、この角の黒渋赤渋の合羽屋が、雑貨店にかわって、京焼の糶売とは、何事です。さあ二貫、二貫、一貫五百は何事です。」 とそこに人立の前で....