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糸切り
「糸切り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
糸切りの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
泣かんばかりに震えていた。そして堰《せき》を切ったように涙が流れ出ようとするのを
糸切り歯でかみきるばかりにしいてくいとめた。
事務長は驚いたらしかった。目を大....
「海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
くの労働者を、君は馘首《かくしゅ》したことになるだろう。この会社の積立金がもし、
糸切り歯のように、それをとると、命に関するというのであったなら、僕はわれわれの武....
「恐しき通夜」より 著者:海野十三
模様の羽織なんかがよく似合う少女だった。笑うと、ちょいと開いた唇の間から、真白な
糸切り歯がニッと出てくるのが、また何とも云えない程可愛らしく見えた。そのAさんと....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
の加減で唇の色が、薄墨色を為していた。何かキラキラと光るものがあった。上の一本の
糸切り歯であった。 鉄色の岩壁を背景にして、彼女の裸体は浮き出していた。 突....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
は思っている。鱈の煮浸しは未荘では五分切の葱の葉を入れるのであるが、城内では葱を
糸切りにして入れる。これも間違いだ、おかしなことだ、と彼は思っている。ところが未....
「犬神娘」より 著者:国枝史郎
桜貝のような色をしていたというので、旦那をすててその人と逃げたり、その人が笑うと
糸切り歯の端が、真珠のように艶めくというので、許婚をすててその人と添ったり、おお....
「地虫」より 著者:小栗虫太郎
後の晩だからさ、今夜だけあの人を私に貸してもらえない?」 早苗はその時、お悦の
糸切り歯が怖ろしく思われたほど、彼女は退っ引きならぬ土壇場に立たされてしまった。....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
《が》きにして暫《しばら》く水へ漬けてアクを抜きます。それから人参《にんじん》を
糸切りにして糸蒟蒻《いとごんにゃく》と前の牛蒡と三品を一旦|湯煮《ゆで》ておいて....