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糸口
「糸口〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
糸口の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
てし続けていた話の糸目をつなごうとした。
「それから……その……」
しかし話の
糸口は思うように出て来なかった。事もなげに落ち付いた様子に見える博士の心の中に、....
「星座」より 著者:有島武郎
えきらない部屋の空気を身に感じながら、その川音に耳をひかれた。こっちの方から話の
糸口を引きだして、父の失敗が気にかけるほどのものではないのを納得させたものだろう....
「夫婦善哉」より 著者:織田作之助
種吉は「そら大変や、東京は大地震や」吃驚《びっくり》してしまったので、それで話の
糸口はついた。避難列車で命からがら逃げて来たと聞いて、両親は、えらい苦労したなと....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
て自分の纏ったマントや手に持つ笏に気がつくと、甫めて今まで耽っていた歓楽の想出の
糸口が見つかったように苦笑いをした。 「よく飲んで騒いだもんだ。そうだ、私は新妻....
「寒の夜晴れ」より 著者:大阪圭吉
しまった様子だった。いったい何を考え込んでしまったのだろう? 何か特別な考えの
糸口でもみつけたのだろうか? 「田部井さん」私は思い切って声をかけた。 「いった....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
た。 (なんとか取返したいものだ。まだ、絶望するのは早かろう) 少年は、推理の
糸口をつかみ、それからその糸を犯人のところまでたぐっていくために、境内をぶらぶら....
「三十年後の世界」より 著者:海野十三
「ねえ諸君。こういうことを、おかしいと思いませんか」 とカンノ博士がすいりの
糸口をほどきはじめた。 「この人骨は空気服もなんにも着ていないです。すると、行き....
「すり替え怪画」より 著者:海野十三
ついてご説明をいたさなくては信用なさらないでしょう。実は、例の怪賊の手口からして
糸口を辿っていったのですが、実に実に賊は容易ならん奴ですぞ」 「賊は誰でも差支え....
「地球要塞」より 著者:海野十三
》の中に一杯に拡がっていることは、この不思議な空間のことであった。どこからも解く
糸口のない謎! もしそのまま、私が後一時間も、そのままで放って置かれたら、恐ら....
「火星兵団」より 著者:海野十三
目のつけどころがちがう。千二少年が、何者かにさらわれたと知ると、すぐさま、捜査の
糸口をつまみ出した。
「さあ、今日管下に起った事件の中で、少年に関係があった事件....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
、ただかりそめの事で結ばれる筈はないと存じますが……。』 『さァ……何所から話の
糸口を手繰り出してよいやら……。』 姫はしばらくさし俯いて考え込んで居られまし....
「不周山」より 著者:井上紅梅
し込んでいる。 彼女は、それと鉄片で体を堅めているものとは、別種であり、少しは
糸口が探し出せるはずだと思って、すぐ訊いてみた…… 「今のは何ごとだね?」 「サ....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
と同時に眠中の無意識へ織り入れた思索の糸を再び覚めた意識の軌道上に取出して、また
糸口を繋いだ。 何となく故郷の富士が気がかりになる数日が続いた。それに引付けら....
「鉄の処女」より 著者:大倉燁子
なのではあるまいか。いずれにしても女か男か片一方を発見すれば、それによって事件の
糸口がたぐり出せるかも知れない。 仲店の雑沓の中を、夫人は黙々として考えながら....
「情鬼」より 著者:大倉燁子
うから――。それよりは、むしろ久子さんに直接あたって訊いてみた方がかえって何かの
糸口がつかめるかも知れませんわ。あんなに仲のよかった兄妹なんですから、お兄さんの....