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「糸桜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

糸桜の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
》ちの間《あいだ》を見つめた。そこには四五本の棕櫚《しゅろ》の中に、枝を垂らした糸桜《いとざくら》が一本、夢のように花を煙らせていた。 「御主《おんあるじ》守ら....
道標」より 著者:宮本百合子
に集中されてゆくのが、聴衆にまじっている伸子にまざまざと感じられた。川辺みさ子が糸桜の肩模様の美しい上半身をグランド・ピアノへぶつけるようにしていくつかの急速に....
旅愁」より 著者:横光利一
縦横寸分の狂いなく近代庭園法の数学に合致していたと告白したことや、初のころ石庭に糸桜が一本植っていたのに、庭に一本の樹は滅亡の家相だという理由で切られたことなど....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
ああ、返事と一所に、鶯を聞きたいなあ。」 やがて、水の流を前にして、眩い日南の糸桜に、燦々と雪の咲いた、暖簾の藍もぱっと明い、桜湯の前へ立った。 「糸ちゃん、....
漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
子先生 ○ 明治四十年八月五日(同上)(封書) 一昨日御話をした「糸桜」という小説はいそがぬから私に見てくれといいますからあなたへは送りません。今....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
「へ? 彼娘《あれ》を?」 「そうよ。とちるめえぞ。」 「へっへ、言うにや及ぶ。糸桜、てんだ。」 「なにをっ?」 「糸ざくら蕾も雨に濡れにけり、かな。」 「ちゃ....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
のりとなって、その長襦袢のしなやかな裳をこぼれた姿は、脊は高し、天井の黒い雲から糸桜がすらすらと枝垂れたようで、いや、どうも……祇園の空から降って来たかと思われ....
上野」より 著者:永井荷風
した。是日また大行寺の門前を通り過ぎて、わたくしは偶然東都歳事記に記載せられた垂糸桜の今猶すこやかである事をも知ったのである。わたくしは桜花の種類の多きが中に就....