糸車[語句情報] »
糸車
「糸車〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
糸車の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「誘惑」より 著者:芥川竜之介
又家の内部も見えはじめる。そこには「さん・せばすちあん」に似た婆さんが一人片手に
糸車をまわしながら、片手に実のなった桜の枝を持ち、二三歳の子供を遊ばせている。子....
「オシャベリ姫」より 著者:かぐつちみどり
ぎん》色の蜘蛛のお尻からは白銀《ぎん》色の糸が出ているのを、二人の女中が一人ずつ
糸車にかけて、ブーンブーンと撚《よ》って糸を作っているのです。その面白くて奇麗だ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
両側の家は、どれも火が消えたように寂寞して、空屋かと思えば、蜘蛛の巣を引くような
糸車の音が何家ともなく戸外へ漏れる。路傍に石の古井筒があるが、欠目に青苔の生えた....
「古狢」より 著者:泉鏡花
も、その糸がいけないの。」 「糸が不可いとは。」 「……だって、椎の木婆さんが、
糸車を廻す処ですもの、小豆洗ともいうんですわ。」 後前を見廻して、 「それはね....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
して、荷車ごと爺どのを、推遣るようにさっせえた。お手の指が白々と、こう輻の上で、
糸車に、はい、綿屑がかかったげに、月の光で動いたらばの、ぐるぐるぐると輪が廻って....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
まで変って震えているものを、そんな事ぐらいで留めはしない……冬の日の暗い納戸で、
糸車をじい……じい……村も浮世も寒さに喘息を病んだように響かせながら、猟夫に真裸....
「フランダースの犬」より 著者:菊池寛
るかとかんがえています。また、おかみさんはやさしい、満足そうなかおつきで、静かに
糸車のそばにすわりました。置時計は時鳥の啼き声そっくりに時を告げました。その中で....
「旅なかま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
来ました。 ダンス輪おどり大すきな みんなきれいなむすめたち、 まわるよまわるよ
糸車。 くるりくるりと踊り子むすめ、 おどれよ、はねろよ、いつまでも、 くつのか....
「雪の女王」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
りましたよ。」と、からすはまた話しはじめました。 「さて、その子は、つかつかと、
糸車ほどの大きなしんじゅに、こしをかけている、王女さまのご前に進みました。王女さ....
「明日」より 著者:井上紅梅
細々と唱いはじめた。 一方單四嫂子は寶兒を抱えて寝台の端に坐していた。地上には
糸車が静かに立っていた。暗く沈んだ灯火の下に寶兒の顔を照してみると、桃のような色....
「おじいさんの家」より 著者:小川未明
。 ちょうど日当たりのいい縁側に、おばあさんがすわって、下を向いて、ぷうぷうと
糸車をまわして糸を紡いでいました。二人は、その音を聞くと、たいへんに遠い田舎へで....
「薬売り」より 著者:小川未明
きませんでした。 ある日のこと、太郎は独り圃に出て遊んでいました。遠くの方で、
糸車の音が聞こえてきました。海のある方の空が、青くよく晴れ渡って雲の影すらなかっ....
「感覚の回生」より 著者:小川未明
て誰も起きているものもないから、極めて家の中がしんとしている。遠くで、いつもする
糸車の音も響いて来なかった。けれど私の心は、此の四辺の静かな裡に一つあって、眠る....
「単純化は唯一の武器だ」より 著者:小川未明
子供時分には、まだ、周囲に封建時代の風習も、生活様式も残っていた。女達は、自から
糸車を廻わして、糸をつむぎ、機に織って、それを着たのも珍らしくなかった。資本主義....
「春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
ば(見たばは見たればの意)、コバエテ/\、おばこ居もせで用のない婆様なの(など)
糸車、コバエテ/\。 おばこ此のぢよめえね(このごろ見えぬの意)風でも引いたかや....