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糺問
「糺問〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
糺問の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「卑怯者」より 著者:有島武郎
いう意地悪げな声がそこにいるすべての子供たちから一度に張り上げられた。しかもその
糺問《きゅうもん》の声は調子づいてだんだん高められて、果ては何処《どこ》からとも....
「地球図」より 著者:太宰治
べに当ったのは、新井白石《あらいはくせき》である。 長崎の奉行たちがシロオテを
糺問《きゅうもん》して失敗したのは宝永五年の冬のことであるが、そのうちに年も暮れ....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
所司代は名判官と承わる。これなる四人の公盗共が掠《かす》めし珠数屋の財宝財物を御
糺問《ごきゅうもん》の上、すみやかにお下げ渡し然るべし。江戸旗本早乙女主水之介、....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
嗜血癖の、むしろ異例的標本とでも云うものなんだ。西班牙セヴィリアの宗教裁判所に、
糺問官補のフォスコロという若い僧がいたのだ。ところが、彼の
糺問法がすこぶる鈍いば....
「落穴と振子」より 著者:佐々木直次郎
てさかんに行われて、異教徒の迫害に利用され、ことにスペインにおける宗教裁判はその
糺問が峻烈で処刑が残酷なので有名であった。第十八世紀にいたってようやくやみ、スペ....
「獄中記」より 著者:大杉栄
、つい三、四カ月前にも、米騒動や新聞のことでたびたび検事局へ呼び出されていろいろ
糺問されたが、その時にもやはり自分の前科のことは満足に返事ができなかった。そして....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、いよいよ不思議なことを言う盲人だ」 検視の役人は米友の訊問を打捨てて、弁信の
糺問《きゅうもん》にとりかかろうとします。お蝶は傍でハラハラするけれども、盲目の....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、兵馬の耳には聞えませんでした。 六十七 兵馬が、紙屑買いを
糺問《きゅうもん》していることの瞬間、後ろの女のことは暫く忘れておりました。 ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
百姓たちが、件《くだん》の周章者《あわてもの》を引ッ捕えて、百姓呼ばわりを充分に
糺問《きゅうもん》しました。 昔は天子自ら鍬を取って、農業の儀式をなされたもの....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
いたという落着《らくちゃく》らしいのです。ところで縛りは縛ってみたが、連れて来て
糺問《きゅうもん》してみると、なんらの罪がない――」 四 「は....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
那のものだから無性に褒《ほ》めて置いたが、中身は何だか一向わからん、それで後日|
糺問《きゅうもん》されると困るから、一応おれに見て講義をして置いてくれというわけ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、緩怠至極《かんたいしごく》の奴等だ」 いらだちきった組頭は、この上は、自身|
糺問《きゅうもん》に当らねば埒《らち》が明かんと覚悟した時分、黒灰浦の海岸の陣屋....
「法華僧の怪異」より 著者:田中貢太郎
ことは直ぐに檀家に知れて大問題となり、住職は女に裏切られた苦しさと、厳しい檀家の
糺問に耐えかねて縊死した。 青年と駈け落ちした彼女は、夜になると住職の怨霊に悩....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
眼をそらして上眼をつかい、ぱちぱちまばたきをしながらたずねた。これは少佐が生徒を
糺問する時におりおり見せる表情で、少佐自身では、それで自分の顔付が非常に和らいで....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
けである。それのみならず私の夢にも知らない事までお前がやったろうといっていろいろ
糺問されますけれども、どうも全く知らない事は幾ら言ってみろと言われたところで何に....