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紀元節
「紀元節〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
紀元節の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十円札」より 著者:芥川竜之介
え、父母兄弟とも喧嘩《けんか》をした今は、――いや、今はそれどころではない。この
紀元節《きげんせつ》に新調した十八円五十銭のシルク・ハットさえとうにもう彼の手を....
「妙な話」より 著者:芥川竜之介
するくらいだった。
ちょうどその時分の事だった。ある日、――そうそう、あの日は
紀元節《きげんせつ》だっけ。何でも朝から雨の降り出した、寒さの厳しい午後だったが....
「放浪」より 著者:織田作之助
り、看護服の浜子を感じたかと思うと、こんどは小鈴の肩の柔さだった。 一年たち、
紀元節の大赦で二日早く刑を終えると読み上げられた時、泣いて喜んだ。刑務所を出る時....
「永日小品」より 著者:夏目漱石
倅に云った。倅はそうかも知れませんと答えた。小供は三日間鉄砲玉ばかり食っていた。
紀元節 南向きの部屋であった。明《あ》かるい方を背中にした三十人ばかりの小供が....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
四十四 日露開戦、八日の旅順と九日の仁川とは急雷のように人々の耳を驚かした。
紀元節の日には校門には日章旗が立てられ、講堂からはオルガンが聞こえた。 東京の....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
して一般へ示さるる例で、この文章の潤色も多く私が担当していた。忘れもせぬ、廿一年
紀元節の憲法発布式の日、私は大礼服がないので、――以前拝賀には借着した事もあれど....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
いうちに年も暮れて、ことしは取り分けて目出たいはずの明治十五年の春が来た。二月の
紀元節の夜にいよいよ婚礼ということに相談が進んで、溝口矢田の両家ではその準備もお....
「血液型殺人事件」より 著者:甲賀三郎
士の変死事件から始める事にしよう。 毛沼博士の変死 二月十一日、即ち
紀元節の日だが、この日はひどく寒く、午前六時に零下五度三分という、東京地方には稀....
「有喜世新聞の話」より 著者:岡本綺堂
いうちに年も暮れて、ことしは取り分けて目出たいはずの明治十五年の春が来た。二月の
紀元節の夜にいよいよ婚礼ということに相談が進んで、溝口矢田の両家ではその準備もお....
「月日の話」より 著者:坂口安吾
れているのである。日本の学者のズボラさ、非科学性もはなはだしというべし。 ただ
紀元節の二月十一日だけは太陰暦の元旦を太陽暦に逆算して算定したものだそうである。....
「少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
まったく快癒した。 二月九日にいっさいの準備をおわり、二月十一日、大日本帝国の
紀元節の日に出発することとなった。その朝は、一天ぬぐうがごとく晴れわたり、さわや....
「明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
社会的の欠陥もまたけっして少なくなかったのである。憲法は明治二十三年二月十一日の
紀元節をもって発布され、立憲政体もいよいよここに確立され、その翌年、帝国議会も開....
「不在地主」より 著者:小林多喜二
ばジッとさせて、何時迄も勤勉に仕事ばさせて置くためには、新聞でこい、雑誌でこい、
紀元節でこい、徴兵検査でこい、青年訓練所でこい、機動演習でこい、学校でこい、みん....
「西航日録」より 著者:井上円了
りて、 千万里隔つる旅の外までも今日のよき日を祝ひけるかな 耶蘇よりも遥かに古き
紀元節是れ日の本の名物にぞある 余、欧米の社会を見ざること、ここに十有五年なり....
「放浪」より 著者:織田作之助
り、看護婦服の浜子を感じたかと思うと、今度は小鈴の肩の柔さだった。 一年経ち、
紀元節の大赦で二日早く刑を終えると読み上げられた時、泣いて喜んだ。刑務所を出る時....