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「約定〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

約定の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
寒さ」より 著者:芥川竜之介
らかた市中を歩いて見ました。けれどもたまに明《あ》いていたと思うと、ちゃんともう約定済《やくじょうず》みになっているんですからね。」 「僕の方じゃいけないですか....
永日小品」より 著者:夏目漱石
通りの俵を持って、行きますと、――実に狡猾《こうかつ》な奴《やつ》がいるもんで、約定書《やくじょうがき》のうちに、もしはなはだしい日限の違約があるときは、八千円....
道草」より 著者:夏目漱石
のや、取《と》り替《かわ》せ一札の事と書いたものや、明治二十一年|子《ね》一月|約定金請取《やくじょうきんうけとり》の証と書いた半紙二つ折の帳面やらが順々にあら....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
た松谷秀子嬢です」といいました。私は何気無く聞き取りましたが愈々手術に取り掛かる約定を極める時と為って権田に向い、「腹蔵なく依頼者の身の上を聞いた上でなくては」....
思い出の記」より 著者:小泉節子
いとなると価よりも沢山、金をやりたがったのです。そして早く早くと云って、大急ぎで約定済の札をはって貰いました。 京都を二人で見物して歩きました時に、智恩院とか....
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
だ同期生たちは半年前の秋に論文が通過して、試験所研究生終了の証書を貰ってそれぞれ約定済の任地へ就職して行った。彼は、鼎造にしばらく帰京の猶予を乞うて、論文を纏め....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
在り)は証人は喜平に犯さぬものを一時証人はアトで書類を出す日まで、犯したとさせる約定条件から喜平の実印や其他金品と一緒に授与しとるではないか」 支倉の裁判長忌....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
輿入れはいつごろのご予定なのでござります」 「十八の年の五月五日が来たら、という約定でおじゃりますゆえ、もう目前に迫っているのでおじゃります」 「なるほど、なか....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
助がこの場合に、逃げ去るとは甚だ合点《がてん》のゆかぬことです。 しかしながら約定《やくじょう》の時刻にも赤羽橋へ来るということもなく、新銭座の家へ行って見れ....
松と藤芸妓の替紋」より 著者:三遊亭円朝
何時頃に入らっしゃいます」 新「二時少し廻った時分迄には屹度来るから、其の積りで約定を極めてさえ置けば宜いのだ」 三「美代ちゃん大変に宜い事が有るんで」 と幾....
霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
。一を反織と云い、一を年季と申します。反織の方は織賃銀何円に付いて何反織ると云う約定で、凡て其の織る人の熟不熟、又|勤惰によって定め置くものでござります。勉強次....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ての上に、倉敷料としての見つもり若干を与えて、そのままにし、季節に実を取るだけの約定なのだから、売ってかえって保護をされているようなもの――取引も至極円満に進行....
松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
恩人だから厭とも云われず、娘は唯もじ/\して居る。周玄は結納を取替わし無理無体に約定を極めて、 周「兎も角明朝僕が又上ります」 と独りで承知して帰りました。扨....
大橋須磨子」より 著者:長谷川時雨
お側室《そくしつ》さま格に思い、やがて呼迎えられる日のあることを、遅かれ早かれ、約定済《やくじょうず》みのように傍の者も思っていたが、侯爵は思いもかけぬ病気で不....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
」という。で、お化粧が終りますとその父母は娘に向って始めて、こういう訳で、結婚の約定が成り立ったからお前はこれから某の許へ嫁入に行かねばならんということを告げる....