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約数
「約数〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
約数の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「柿の種」より 著者:寺田寅彦
きで調べたりするときの栞とした。 短冊形に切った朱|唐紙の小片の一端から前歯で
約数平方ミリメートルぐらいの面積の細片を噛み切り、それを舌の尖端に載っけたのを、....
「二つの庭」より 著者:宮本百合子
葉の真剣さに伸子はびっくりした。占いなんかをしてみる人の心もちにたいして、最大公
約数のような、こんな常識が何か真面目な作用もするというのだろうか。伸子は、思いも....
「俳句の型式とその進化」より 著者:寺田寅彦
れには、この詩形が国語を構成する要素としての語句の律動の、最小公倍数とか、最大公
約数とかいったようなものになるという、そういう本質的内在的な理由もあったであろう....
「「未亡人の手記」選後評」より 著者:宮本百合子
べきだろう。わたしとしては、日本の三百余万人の苦しい婦人たちの生活と感情の最大公
約数を、めやすにするしかないと感じた。そして三篇をえらび出した。 どの文章も深....
「技術的精神とは何か」より 著者:戸坂潤
技術史家の想定する常識となっている。 だから技術的精神をごく一般的に、又最大公
約数的に考えるなら、それは必ずしも近代精神だけを特色づけるものでもなければ、それ....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
、もっと安易である。そして、現実的である。彼らは、妄者の顔や人柄から判じ、最大公
約数的な質問や判断で狭めていって、一応の的中率を示す方法を心得ている。 私は検....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
ことを言うね。それは易者が妄者の迷いを言い当てるのに良く似ているね。迷いの最大公
約数みたいなものを、言いきるわけさ。そして輪をちゞめていくんだ。もっとも、易者と....
「妾の半生涯」より 著者:福田英子
三番港《さんばんみなと》に到着するや、某地の有志家わが学校の生徒およびその父兄ら
約数百名の出迎いありて、雑沓《ざっとう》言わん方《かた》もなく、上陸して船宿《ふ....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
げた話で、現在の依頼者の職業身分に当りがつけば、あとは人相骨相等ににらみ合せて公
約数的に身の上、性格等の判断をわりだすのは不可能ではなく、公
約数の算定法は相当に....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
の説によると、あらゆる種類の犬をかけあわせて雑種をつくった場合、つまり犬の最大公
約数がどういう形をとるかというと、だいたい小型日本犬に似た形のものが生ずるようで....
「猫と杓子について」より 著者:織田作之助
うものは猫でも杓子でもないのですから、世間の常識とか定説、オイソドックス、最大公
約数的な意見、公式、規格品、標準、権威――そういったものを、よしんばそれが世の風....
「夜の構図」より 著者:織田作之助
ともらしい言葉や議論というものを好む傾向がある。当り前のことが好きなのだ。最大公
約数的なものが好きなのだ。誰が考えても、誰が言っても、そうなるという標語的な結論....
「恐怖の季節」より 著者:三好十郎
個所のズーッと手前のところで作品を生み出す以外になくなる。また、その二つの最大公
約数(その数値は非常に小さい)として生み出す以外になくなる。それが中野の作品であ....
「社大党はファッショ化したか?」より 著者:戸坂潤
私が社大党支持に決心したかというと、要するに之が無産勤労大衆の政治的要求を最大公
約数的に代表し得る唯一の政党だと信じたからだ。日本の大衆が支配者の各種の政策にも....
「日本の民衆と「日本的なるもの」」より 著者:戸坂潤
の特色を云わば好みに従って取って来ることも出来ようし、またそのバラエティの最大公
約数のようなものでも好かろうし、乃至は思い切って内容は抜き去って日本民族の形式的....