紅の木[語句情報] » 紅の木

「紅の木〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

紅の木の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
茶の本」より 著者:岡倉覚三
かった。こう言って利休は庭におり立ち一樹を揺すって、庭一面に秋の錦を片々と黄金、紅の木の葉を散りしかせた。利休の求めたものは清潔のみではなくて美と自然とであった....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
だと云っても一里半ほどの路を来たので、駕籠屋は汗びっしょりになって、店さきの百日紅の木の下でしきりに汗を拭いています。四人の家来たちも茶屋の女に水を貰って手拭を....
般若心経講義」より 著者:高神覚昇
こういいながら茶人は、自分で庭へ下りていって、樹を揺ったのです。そして庭一面に、紅の木の葉を、散りしかせたのでした。茶人がまさしく求めたものはではなかったのです....
革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
を抜くのを差控えたほどであった。 汽車に連るる、野も、畑も、畑の薄も、薄に交る紅の木の葉も、紫|籠めた野末の霧も、霧を刷いた山々も、皆|嫁く人の背景であった。....
探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
上さん。」 よびかけられて振り向くと、三津子さんはパラソルをつぼめて、その百日紅の木かげに立っていました。三津子さんはわたくしと同い年の廿一で、年よりも若くみ....
わかれ」より 著者:国木田独歩
き戯れとは思いつつも、少女がかれに気づかぬを興あることに思いしか、はた真白の皿に紅の木の葉拾いのせしふるまいのみやびて見えつるか、青年はまた楓の葉を一つ摘みて水....
」より 著者:森鴎外
、綺麗な砂が降るだけの雨を皆吸い込んで、濡れたとも見えずにいる。真中に大きな百日紅の木がある。垣の方に寄って夾竹桃が五六本立っている。 車から降りるのを見てい....
子供役者の死」より 著者:岡本綺堂
ました。足は自然にお初の家の方へ向いて行ったのです。 お初の門口には大きな百日紅の木が立っていました。六三郎はやがてその木の下まであるいて来ると、内から丁度に....