紅の葉[語句情報] » 紅の葉

「紅の葉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

紅の葉の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
と鳴る田川の畔の青萱。見れば、眼に入る緑は皆動いて居る。庭の桔梗の紫|揺き、雁来紅の葉の紅|戦ぎ、撫子の淡紅|靡き、向日葵の黄|頷き、夏萩の臙脂乱れ、蝉の声、虫....
からすうりの花と蛾」より 著者:寺田寅彦
枚落ちて壁土が少しこぼれていたが、庭の葉鶏頭はおよそ天下に何事もなかったように真紅の葉を紺碧の空の光の下にかがやかしていたことであった。しかしその時刻にはもうあ....
みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
が薄赤く颯と射す。 色も空も一淀みする、この日溜りの三角畑の上ばかり、雲の瀬に紅の葉が柵むように、夥多しく赤蜻蛉が群れていた。――出会ったり、別れたり、上下に....
小春」より 著者:国木田独歩
んと舷に腰かけて潮の来るを待つらん若者あり。背低き櫨堤の上に樹ちて浜風に吹かれ、紅の葉ごとに光を放つ。野末はるかに百舌鳥のあわただしく鳴くが聞こゆ。純白の裏羽を....
わかれ」より 著者:国木田独歩
露は朝日を受けねど空の光を映して玉のごとし。かれは意にもなく手近の小枝を折り、真紅の葉一つを摘みて流れに落とせば、早瀬これを浮かべて流れゆくをかれは静かにながめ....
烏瓜の花と蛾」より 著者:寺田寅彦
枚落ちて壁土が少しこぼれていたが、庭の葉鶏頭はおよそ天下に何事もなかったように真紅の葉を紺碧の空の光の下に耀かしていたことであった。しかしその時刻にはもうあの恐....
桜花を詠める句」より 著者:杉田久女
次第に山深くいにしえの大原御幸道にわけ入った時、ふと傍らの渓流に一本の山桜がうす紅の葉をかざして咲き傾いているのに気がついた。そのほとりには古びた水車が、のどか....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
、谷に臨んで、茣蓙毛氈を敷いた一組、二組も、色紙形に遠く視められる。一葉、二葉、紅の葉も散るが、それに乗ったのは鶏ではない。 それに、真上にもあるような、やや....