紅の袴[語句情報] » 紅の袴

「紅の袴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

紅の袴の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
天守物語」より 著者:泉鏡花
す。また女童、うしろに守刀を捧ぐ。あと圧えに舌長姥、古びて黄ばめる練衣、褪せたる紅の袴にて従い来る。 天守夫人、侍女を従え出で、設けの座に着く。 薄 (そと亀姫....
貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
右左に飛廻って、松明の火に、鬼も、人も、神巫も、禰宜も、美女も、裸も、虎の皮も、紅の袴も、燃えたり、消えたり、その、ひゅうら、ひゅ、ひゅうら、ひゅ、諏訪の海、水....
七宝の柱」より 著者:泉鏡花
そのうしろに藤原氏三代栄華の時、竜頭の船を泛べ、管絃の袖を飜し、みめよき女たちが紅の袴で渡った、朱欄干、瑪瑙の橋のなごりだと言う、蒼々と淀んだ水の中に、馬の首ば....
南地心中」より 著者:泉鏡花
打込んだ、関東勢の大砲が炎を吐いて転がる中に、淀君をはじめ、夥多の美人の、練衣、紅の袴が寸断々々に、城と一所に滅ぶる景色が、目に見える。……雲を貫く、工場の太い....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
たり。それでも遊びにほうけていると、清らかな、上品な、お神巫かと思う、色の白い、紅の袴のお嬢さんが、祭の露店に売っている……山葡萄の、黒いほどな紫の実を下すって....
神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
葉の茂った中へ、ちらりと出た……さあ、いくつぐらいだろう、女の子の紅い帯が、ふと紅の袴のように見えたのも稀有であった、が、その下ななめに、草堤を、田螺が二つ並ん....
源氏物語」より 著者:紫式部
た。だれもそばにいず打ちやられてあった人は若くて美しく、白い綾の服一重ねを着て、紅の袴をはいていた。薫香のにおいがかんばしくついていてかぎりもなく気品が高い。自....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
がちな娘たちの腰に腕をまいて親しそうに押し合っています。また、聖水の近くには、真紅の袴をはいて、レースのついている胸衣をつけた農家の女たちが、家畜のように動かず....
夫人利生記」より 著者:泉鏡花
り、厳に端しく、清らかである。 御厨子の前は、縦に二十間がほど、五壇に組んで、紅の袴、白衣の官女、烏帽子、素袍の五人|囃子のないばかり、きらびやかなる調度を、....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
岬へ吹はなされたまいし時、いま一度陸にうけて、ともかくもなさせ給えとて、北の方、紅の袴に、唐のかがみを取添えて、八大竜王に参らせらると、つたえ聞く、その面影も目....