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紅一点
「紅一点〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
紅一点の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
の美形《びけい》がいち人、突如として正面お座席近くに姿をみせて、文字通り万緑叢中
紅一点のあでやかさを添えましたので、いぶかしさに打たれながら主水之介も目を瞠《み....
「人造人間」より 著者:平林初之輔
には、村木博士の助手として、その実験を手伝っている女理学士内藤房子女史の断髪姿が
紅一点を点じていた。 博士はコップの水でちょっと口をうるおしてから語りつづけた....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
も寄り集まりの身性知《みじょうし》らずの人間共でしょう、その中で、たった一人の、
紅一点たるお雪ちゃんに対して、野心を起さないものが無いとは誰も断言できないでしょ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
いのヨタ者|御定連《ごじょうれん》が席につき、この御定連の顔ぶれのうち、珍しくも
紅一点の村雨女史という別嬪《べっぴん》が一枚、差加わったのは、いつも同じ顔ぶれの....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
かのお藤……。
本所の化物屋敷に出入して、万緑叢中《ばんりょくそうちゅう》
紅一点、悪旗本や御家人くずれと車座になって勝負を争っているうちに、人もあろうに離....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
実に女らしい本だと。よかれあしかれ。ところが、詩人たちは、詩人たちの間での彼女は
紅一点ではないのですって。女史というのですって。つまり女らしくないのですって。面....
「生活」より 著者:林芙美子
がとても愉しい。この一月は志賀高原へスキーに行った。丸山ヒュッテに泊ったが、幸い
紅一点で、雪の山上で私はまるで少女のようにのびのびとしていた。スキーは下手だけれ....
「地水火風空」より 著者:豊島与志雄
、変な顔をしているね。間抜けじゃないか。俗悪な銅像や石像が並んでる中に、万緑叢中
紅一点という碑があるのを知らないのか。」 「へえー、
紅一点……。」 「あれさ、よ....
「現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
。 さッそく一同は立ち上る。ツル子は半平に向って、 「私は?」 「そうだなあ。
紅一点まじる方が風流で、サルトル君も安心なさるでしょうね」 サルトルは半平を制....
「妾の半生涯」より 著者:福田英子
始まる、中江先生は今日は女尊男卑なり、君をば満緑《まんりょく》叢中《そうちゅう》
紅一点《こういってん》ともいいつべく、男子に交りての抜群の働きは、この事件中特筆....
「母たち」より 著者:小林多喜二
は、その大体はもうお前も知っていることだから、詳しくは書かない。「共産党被告中の
紅一点!」というので、毎日新聞がお前の妹のことをデカ/\と書いた。検事の求刑は山....
「艶色落語講談鑑賞」より 著者:正岡容
、ある初夏の真昼。 多くの酔客通人を乗せて隅田川へ漕ぎいでた屋根舟に、万緑叢中
紅一点、婀娜《あだ》な柳橋の美妓があった。 飲めや歌えや。いまだその頃の隅田川....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
いことだろう――と、藍取歌を唄っていた陸の娘が見とれていた。なるほど、この山水の
紅一点。今――西麻植の岸へ船をつけて、スラリと、そこへ下りた美人がある。 阿波....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
て、居合わせたぼくに「何か讃をしてくれ」というので、筆を借りて即興的に「伴睦相中
紅一点」と書いてやったことはある。――かといって、なにも「新・平家」の中に無断拝....