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紅白粉
「紅白粉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
紅白粉の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「家」より 著者:島崎藤村
金は、終に、他に聞えるように言った。 酔に乗じた老松の端唄が口唇を衝いて出た。
紅白粉に浮身を窶すものの早い凋落を傷むという風で、 「若い時は最早行って了った」....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
いて来た。別に変ったこともなく、かれらは相前後して門前に近づいた。見ればかれらは
紅白粉をつけて、その艶容は娼婦の如くであるのみか、その内服は真っ紅で、下飾りもま....
「鮭の祟」より 著者:田中貢太郎
る。土地の人は女の因縁から、頭髪の縮れている者は櫛をあげ、顔面に腫物の出た者は、
紅白粉を収めて祈願をすることになっているが、それが験があると云われている。伝説で....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
いとど旅感をそそるに堪えている。七十八軒の本宿に、二十四軒の旅籠屋《はたごや》。
紅白粉《べにおしろい》の飯盛女《めしもりおんな》に、みとれるようなあだっぽいのが....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
たらと上りました、道で申せばまず峠のような処に観世物の小屋がけになって、やっぱり
紅白粉をつけましたのが、三味線でお鳥目を受けるのでござります、それよりは旦那様、....
「四国遍路日記」より 著者:種田山頭火
、浜おもとがよく茂っている、南国らしい、今日は数人のおへんろさんと行き逢ったが、
紅白粉をつけた尼さんは珍らしかった、何だか道化役者めいていた、このあたりには薄化....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
貴下どうなさいましたの。」 身動ぎもせず聞き澄んだ散策子の茫然とした目の前へ、
紅白粉の烈しい流が眩い日の光で渦いて、くるくると廻っていた。 「何んだか、私も変....
「おせん」より 著者:邦枝完二
ちゃん。あたしゃ今こそお前に、精根をつくしたお化粧を、してあげとうござんす。――
紅白粉は、家を出る時袱紗に包んで持って来ました。あたしの遣いふるしでござんすが、....
「随筆 寄席風俗」より 著者:正岡容
浮気おんな、野に置け蓮華草のそしりはまぬかれない。 夫に仕えて貞節専一、しかも
紅白粉の身だしなみよろしく、愛嬌こぼるるばかりの世話女房なんてのが、もしあったな....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
して来た女がある」と、それから今の女の教育が何の役にも立たない事、今の女の学問が
紅白粉のお化粧同様である事、真の人間を作るには学問教育よりは人生の実際の塩辛い経....
「三国志」より 著者:吉川英治
蜀軍が出たかどうか知れたものではない。何としても、彼を賭に負かして、司馬懿仲達が
紅白粉をつけ、女の着物を着て謝る姿を見てやらなければならん」 などとなお、興じ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
」 と、棗はするどく首を振った。解け落ちた頭巾の下も無造作なつかね髪にすぎず、
紅白粉も知らない顔はただ一途で異様な若さだけに研がれていた。 「おことばですが、....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
を褻に混じてしまったのである。この点は男でいうならば酒や歌舞の楽しみ、女でいうと
紅白粉の飾りも同じことで、本来はいずれも年に一度か二度の、晴の日のみに許されるこ....