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紅絵
「紅絵〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
紅絵の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
世絵にも多い画面である。春信《はるのぶ》も湯上り姿を描いた。それのみならず、既に
紅絵《べにえ》時代においてさえ奥村政信《おくむらまさのぶ》や鳥居清満《とりいきよ....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
「そうさ。乾雲一味の者は大分たおしたようだから、まずあれで上出来であった……あの
紅絵売りの若侍と乞食とはああして威嚇《いかく》するだけでよいのだ、怪我があっては....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
。 土蔵に、浮世絵の複製があり、その中に一つ鳥居庄兵衛作の絵があります。初期の
紅絵時代、茶色の荒い紙に、上に紅葉の枝をさし交し、侘住居をあらわす一本の自然木の....
「平賀源内捕物帳」より 著者:久生十蘭
《なまこ》壁。 一間幅に敷いた白砂の上へ、雪の日に南天の実でもこぼれるように、
紅絵具《べにえのぐ》のような美しい血が点々と滴り落ちる。 真先にこれを見附けた....
「叔父と甥と」より 著者:岡本綺堂
取納め、余は引き裂きて庭に持ち出で、涙の種をことごとく烟とす。 かき寄せて焚くや
紅絵の散紅葉 十九日、庭の立木に蝉の止まりて動かぬを見る。試みに手を触るればか....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
日本画の物質的材料の欠点たり。今諸家の制作を見るに、木板色摺のいまだ進歩せざりし
紅絵《べにえ》の時代においては、板下画家はその色彩の規範を常に肉筆画に仰ぎたれど....
「大岡越前」より 著者:吉川英治
弥は、壁にもたれて、もう心地よげに居眠っている。それは、奥村政信が画くところの、
紅絵の中から抜け出て来た男のように見えた。 北町奉行の中山出雲守は、峻辣、敏腕....