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紅色
「紅色〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
紅色の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「少年」より 著者:芥川竜之介
ると乗客の降り終るが早いか、十一二の少女が一人、まっ先に自働車へはいって来た。褪
紅色《たいこうしょく》の洋服に空色の帽子《ぼうし》を阿弥陀《あみだ》にかぶった、....
「一房の葡萄」より 著者:有島武郎
ような海の藍色《あいいろ》と、白い帆前船などの水際《みずぎわ》近くに塗ってある洋
紅色《ようこうしょく》とは、僕の持っている絵具《えのぐ》ではどうしてもうまく出せ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
、択ばれたものかも知れぬ。で、某女学院出の才媛である。 当時、女学校の廊下を、
紅色の緒のたった、襲裏の上穿草履で、ばたばたと鳴らしたもので、それが全校に行われ....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
。 太陽上層のいわゆる色球、すなわち、太陽光雲の上にあって水素ガスに特有な薔薇
紅色を呈しているガス層の高さを日食の際に測定した結果は約八〇〇〇キロメートルとな....
「猫と色の嗜好」より 著者:石田孫太郎
人の文野を別てば、白色|若しくは水色等を愛する者は最も文化したるもので、青色だの
紅色だの又は紫|抔を愛するものは之に中し、緋や赤を好む者は子供か又は劣等なる地位....
「春昼」より 著者:泉鏡花
り、金子でござる、」 「なるほど、穿当てましたね。」 「穿当てました。海の中でも
紅色の鱗は目覚しい。土を穿って出る水も、そういう場合には紫より、黄色より、青い色....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
を、これへ。お縁側からお邪魔をしたしました。 あの白粉の花は見事です。ちらちら
紅色のが交って、咲いていますが、それにさえ、貴方、法衣の袖の障るのは、と身体をす....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
て――傍に柔かな髪の房りした島田の鬢を重そうに差俯向く……襟足白く冷たそうに、水
紅色の羽二重の、無地の長襦袢の肩が辷って、寒げに脊筋の抜けるまで、嫋やかに、打悄....
「革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
方はいかがです。」 途中で見た上阪の中途に、ばりばりと月に凍てた廻縁の総硝子。
紅色の屋号の電燈が怪しき流星のごとき光を放つ。峰から見透しに高い四階は落着かない....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
乱し、人は鶴※を着て立って徘徊すと言えり……か。) なんのッて、ひらひらと来る
紅色の葉から、すぐに吸いつけるように煙草を吹かした。が、何分にも鋳掛屋じゃあ納り....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
鶸の嘴がちょっと触っても微な菫色の痣になりそうな白玉椿の清らかに優しい片頬を、水
紅色の絹|半※でおさえたが、且は桔梗紫に雁金を銀で刺繍した半襟で、妙齢の髪の艶に....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
その色は彼の長い指にも爪ぎわにもあった。その紫色の斑点は、墓の中でだんだんに濃い
紅色になり、やがて黒くなって崩れ出す筈のものであった。墓のなかで脹れあがった唇の....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
繻子と、薄鼠に納戸がかった絹ちぢみに宝づくしの絞の入った、腹合せの帯を漏れた、水
紅色の扱帯にのせて、美しき手は芙蓉の花片、風もさそわず無事であったが、キラリと輝....
「豊島与志雄氏の事」より 著者:芥川竜之介
近の事である。僕が始めて豊島与志雄と云う名を知ったのは、一高の校友会雑誌に、「褪
紅色の珠」と云う小品が出た時だろう。それがどう云う訳か、僕の記憶には「登志雄」と....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
寂として返事がないんで、構わず打壊せッて、気疾なのががらりと開けると、中は真赤、
紅色に颯と透通るように光って、一畳ばかり丸くこう、畳の目が一ツ一ツ見えるようだッ....