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紅葉
「紅葉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
紅葉の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
は、御規模こそ小そうございますが、菅相丞《かんしょうじょう》の御歌をそのままな、
紅葉《もみじ》ばかりの御庭と申し、その御庭を縫っている、清らかな一すじの流れと申....
「日光小品」より 著者:芥川竜之介
川はずうっと下の谷底を流れているので幅がやっと五、六尺に見える。川をはさんだ山は
紅葉と黄葉とにすきまなくおおわれて、その間をほとんど純粋に近い藍色《あいいろ》の....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
年前の逸聞《いつぶん》を、長々としゃべり出した。高尾《たかお》や愛宕《あたご》の
紅葉狩も、佯狂《ようきょう》の彼には、どのくらいつらかった事であろう。島原《しま....
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
たい》ですが、それがまた※《しゅ》を点じた、所々《しょしょ》の叢林《そうりん》の
紅葉《こうよう》と映発している美しさは、ほとんど何と形容して好《い》いか、言葉の....
「或る女」より 著者:有島武郎
ながわ》を過ぎて、汽車が横浜の停車場に近づいたころには、八時を過ぎた太陽の光が、
紅葉坂《もみじざか》の桜並み木を黄色く見せるほどに暑く照らしていた。
煤煙《ば....
「或る女」より 著者:有島武郎
子は縁側に出て手欄《てすり》から下をのぞいて見た。両側に桜並み木のずっとならんだ
紅葉坂《もみじざか》は急|勾配《こうばい》をなして海岸のほうに傾いている、そこを....
「親子」より 著者:有島武郎
枯れてゆく香いが空気の底に澱んで、立木の高みまではい上がっている「つたうるし」の
紅葉が黒々と見えるほどに光が薄れていた。シリベシ川の川瀬の昔に揺られて、いたどり....
「江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
っと後の話ですが、小川町の翁屋という薬種屋の主人で安川という人があって、硯友社の
紅葉さんなんかと友人で、硯友社連中の文士芝居に、ドロドロの火薬係をやった人でして....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
間の湖水のように澄み切った、気高い姫のお顔にも、さすがにこの時は情思の動きが薄い
紅葉となって散りました。私は構わず問いつづけました。―― 『何卒その時の御模様を....
「明治十年前後」より 著者:淡島寒月
治十三、四年の頃、西鶴の古本を得てから、私は湯島に転居し、『都の花』が出ていた頃
紅葉君、露伴君に私は西鶴の古本を見せた。 西鶴は俳諧師で、三十八の歳|延宝八年....
「亡び行く江戸趣味」より 著者:淡島寒月
島は桜というよりもむしろ雪とか月とかで優れて面白く、三囲の雁木に船を繋いで、秋の
紅葉を探勝することは特によろこばれていた。季節々々には船が輻輳するので、遠い向う....
「燕と王子」より 著者:有島武郎
ません。毎日きれいに照らす日の目も、毎晩美しくかがやく月の光も、青いわか葉も紅い
紅葉も、水の色も空のいろどりも、みんな見えなくなってしまうのです。試みに目をふさ....
「おばけずきのいわれ少々と処女作」より 著者:泉鏡花
に拡がるというのは森田先生の金言で、文章は横に拡がらねばならぬということであり、
紅葉先生のは上に重ならねばならぬというのであった。 その年即ち二十七年、田舎で....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
の百姓の生れた村というのは、それはそれは淋しい小さな村で、秋になると、山が一面に
紅葉になるので、城下の人たちが
紅葉を見に来るほか、何の取柄もないような村でありま....
「茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
かなり散り敷いて草の葉末にも懸ったりして見える中に、桜落葉は最も早くいたいたしく
紅葉したのが其の幹を取り巻いて、一と所ずつ殊に多く濃い色彩を放って見える。そんな....