紅裏[語句情報] » 紅裏

「紅裏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

紅裏の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
護持院原の敵討」より 著者:森鴎外
見可被仰附」と云うのである。 十一日にりよは中奥目見に出て、「御紋附|黒縮緬、紅裏真綿添、白羽二重一重」と菓子一折とを賜った。同じ日に浜町の後室から「縞縮緬一....
天主閣の音」より 著者:国枝史郎
、唐人笠、御茶道衆に先をかつがせて、諸寺社へ参詣したりといふ。更に侯の豪華なる、紅裏袷|帷子、虎の皮羽織、虎の皮の御頭巾を用ひ、熱田参詣の際の如き、中納言、大納....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
が小小姓名古屋山三郎、生年十五歳、天下に名を得た若者だったが、白綾《しらあや》に紅裏《もみうら》打ったる鎧下《よろいした》、色々糸縅《いろいろおどし》の鎧、小梨....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
仰向けに、一個が頭を、一個が白脛を取って、宙に釣ると、綰ねの緩んだ扱帯が抜けて、紅裏が肩を辷った……雪女は細りとあからさまになったと思うと、すらりと落した、肩な....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
くずれた円髷の大年増、尻尾と下腹は何を巻いてかくしたか、縞小紋の糸が透いて、膝へ紅裏のにじんだ小袖を、ほとんど素膚に着たのが、馬ふんの燃える夜の陽炎、ふかふかと....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
から脈を打って、垂々と冷い汗。 さてもその夜は暑かりしや、夢の恐怖に悶えしや、紅裏の絹の掻巻、鳩尾を辷り退いて、寝衣の衣紋崩れたる、雪の膚に蚊帳の色、残燈の灯....
怪しの者」より 著者:国枝史郎
したが、「あらかた話は済んだらしいな。それじゃア……」 「何がさ」 「隣の部屋に紅裏の布団が敷いてあるってことさ」 「ばからしい、……わたしゃア小母様が病気だか....
十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
を照らしているのは、二人の先に立って歩いている、女の持っている雪洞の火であった。紅裏を取り、表は白綸子、紅梅、水仙の刺繍をした打ち掛けをまとったその下から、緋縮....
血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
の影法師を地に敷きながら、庭を宛なく彷徨って行った。と、また子供を産み落とした。紅裏をつけた、藍の小弁慶の、女物の小袖であった。蜘蛛は、庭の左手の方へ、這って行....
深川の唄」より 著者:永井荷風
。オリブ色の吾妻《あずま》コオトの袂《たもと》のふりから二枚重《にまいがさね》の紅裏《もみうら》を揃《そろ》わせ、片手に進物《しんもつ》の菓子折ででもあるらしい....