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「紆余曲折〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

紆余曲折の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
ている。三人は、それから足もとに気遣いながらじわりじわりと進んでいった。すると、紆余曲折しばらく往ったところに右手の埋れ木にきざんだ文字と地図。あっと、ロイスが....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
し、明白な失神じゃないか」今度は検事がいがみ掛った。「どうも君は、単純なものにも紆余曲折的な観察をするので困るよ」 「勿論明白なものさ。しかし、失神――だからこ....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
った。それが薄らぐと崩壊場所の奥のほうがぼうっと明るんでいる――穴だ。それから、紆余曲折をたどって入口のへんにまで出た。そこには、最近のものらしい四、五匹が死ん....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
えていう、九十里に半ばすと。 わが宇治山田の米友も、このごろでは、かなり人情の紆余曲折《うよきょくせつ》にも慣れているから、距離と、歩数と、時間との翻弄《ほん....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
。 そこには誰もいない。 月夜で、見通しの利《き》く限り、その一町半の間には紆余曲折《うよきょくせつ》も無かったところに、女の影が見えません。 あっ! と....
幻覚記」より 著者:豊島与志雄
ムに身を投ずることである。私の心意も肉体も一のリズムに乗って、そのリズムが、或は紆余曲折しながら、或は飛躍しながら、進んで行く。然しそれには、何かの伴奏か、反響....
銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
名銅銭会と称す」 これがきわめて簡単な、銅銭会の縁起であって、今日に至るまでの紆余曲折が詳しく書物には記されてあった。 「公所(大結社)」のことや「会員」のこ....
図書館法楽屋話」より 著者:中井正一
日の衆院本会議を通ったとき、全く私達は手を握り合ったのであった。思えば五年越しの紆余曲折のはての刀折れ矢つきた形の法案である。この回顧の上にのせて見て、はじめて....
短命長命」より 著者:黒島伝治
短い時間のうちに速かに完成してゆく者と、完成までには、長い時間を要し、さまざまな紆余曲折を経て行く者とがあるだろう。あるいは、いつまでも完成せずに終るたちもある....
安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
悪二相が極端に現れ、二十四五、三十二三、三十七八には手痛い苦しみをし、これからも紆余曲折の生涯を辿る人ではあるが、仕事は立派に成しとげ、世間のためになる人物であ....
東京宝塚劇場の再開に憶う」より 著者:小林一三
たアーニイ・パイル劇場として、永らく米軍の用に供しておったのでありますが、その間紆余曲折はありましたが、幸い昭和三十年一月二十七日をもって接収を解除され東宝の手....
チチアンの死」より 著者:木下杢太郎
ら――そうだ、視るのではなくて――想像すべきなんだ。 パリス (同じく。)それは紆余曲折の道の教だ。 バチスタ (同じく。)それこそ大きな「背景の芸術」と称せら....
科学的研究と探偵小説」より 著者:小酒井不木
。一から二、三と順次に十に至るは科学者の行き方で、一から八、八から二というふうに紆余曲折して十に達した方が、小説として興味が多いように思われる。もっとも真の科学....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
炭焼の男は こっちの用に立つ人達だ。 全体腰を曲げたり、 竪にかぶりを振ったり、紆余曲折の文句を言ったり、 人の感じよう次第で 暖めも冷ましもする 二重の息を嘘....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
にして強い槌は揮えます。世の中には、いろいろの宗教や哲学や思想がありまして、随分紆余曲折していますが、結局最後は、現実そのものを理想化するというところに落付かね....