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紊る
「紊る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
紊るの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「弟子」より 著者:中島敦
実際に夫子の役に立ち得るのはおれなのだ。才弁縦横の若い二人を前にして、巧言は徳を
紊るという言葉を考え、矜《ほこ》らかに我が胸中一片の氷心《ひょうしん》を恃《たの....
「沈黙の塔」より 著者:森鴎外
ういう小説がぽつぽつと禁止せられて来た。その趣意は、あんな消極的思想は安寧秩序を
紊る、あんな衝動生活の叙述は風俗を壊乱するというのであった。 丁度その頃この土....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
改正法案は無事議会を通過することだろう。即ち、右翼の確固不抜な行動は決して治安を
紊る心配はない、という信頼がここに横たわっているのである。だから、その四月思想検....
「この握りめし」より 著者:岸田国士
のは感じられないけれども、その言動には、多少慎みを欠いたところがあり、社会秩序を
紊る何ものかゞひそかに含まれていないでもない。思想的偏向か、それとも、心理的異常....
「法学とは何か」より 著者:末弘厳太郎
している。そしてその理由として、解釈に法創造性を認めることは三権分立の政治原則を
紊るものだと言うのであるが、かくのごときは、立法における法規の定立と解釈による法....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
というのじゃない。お慈悲を行えといわれたのである。酒もまた決してこの有形の精神を
紊るところの物を飲めというのじゃない。酒は性智を表わしたものでその自性の智慧を日....
「三国志」より 著者:吉川英治
一 一身を浅く思い、一世を深く思う。 一 掠奪断首。 一 虐民極刑。 一 軍紀を
紊る行為一切死罪。 「わかったかっ」 あまり厳粛なので、壮士たちも、しばらく黙....
「三国志」より 著者:吉川英治
スルモノハ法ヲ用ウルコト明ラカナルニ依ル――と。四海わかれ争い、人と人との道みな
紊るとき、法をすて、何をか世を正し得べき……ふかく思い給え、ふかく」 「でも、馬....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
攻撃の強行は至難であった。 又たとい敵を撃退せる場合に於ても軽挙追撃して隊伍を
紊る時は、敗者のなお所有する集結せる兵力のため反撃せらるる危険甚大で、追撃は通常....