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「紊れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

紊れの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
は膝をたて直した。 「奥勤めの御女中の右の小指に撥胝があるようでは、御奥も定めて紊れて居りましょうと存じまして」 女の顔色は急に変った。 「御免くださりませ。....
血の文字」より 著者:黒岩涙香
打呟きながら、起行きて戸を開くに、突て入る一人は是なん目科其人にして衣服の着様は紊れ、飾り袗の胸板は引裂かれ、帽子は失い襟飾りは曲りたるなど一目に他人と組合い攫....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
飛んだかと見るまにヒュウヒュウと藩士の身辺におそいかかりました。不意を打たれて紊れ立つともなく足並みが紊れ立ったその隙に乗じながら、主水之介はわが意を得たりと....
老中の眼鏡」より 著者:佐々木味津三
まするで厶ります」 ――入念な入浴だった。 そうして夜が白々と明けかかった。紊れも見えぬ足取りでお湯殿から帰って来ると、対馬守は愈々静かに言った。 「香を焚....
新世帯」より 著者:徳田秋声
て、湿みを持った目が美しく輝いた。が、どことなく恐怖を帯びている。唇の色も淡く、紊れ毛もそそけていた。 「どうしたんです。」新吉は不安らしくその顔を瞶めたが、じ....
なよたけ」より 著者:加藤道夫
傷け損ねていることに気がつかぬのじゃ。……衛門! 今や、東国を初め、地方の秩序は紊れ紊れているのだぞ! 都の連中が「あなめでたや、この世のめでたき事には」など....
間人考」より 著者:喜田貞吉
田を耕して生活する程度のものの称呼であらねばならぬ。平安朝頃の地方政治の甚だしく紊れた時代において、課役を避けんが為に私に僧となり、自ら公民権を放棄した所謂中間....
本州における蝦夷の末路」より 著者:喜田貞吉
この頃から、だんだんと中央政府における貴族政治の弊害が甚だしくなり、地方の政治は紊れて、蝦夷に対する睨みが利かなくなりました。のみならず、上に傚う下で、地方官は....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
参り、自分の古い聟さんの承諾を得て多夫一妻になることも沢山ある。それでその人倫の紊れて居ることはほとんどいうに忍びないほどの事もありますけれども、チベット人は恬....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
したものは一人もない積だ。 群集は跡へ引く。 もう追っ払われた。 だがまた秩序の紊れぬ用心に、 目に見えぬ鎖を引いて置こう。 先触 これは大した御成功で....
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
戸はかく筋がよいのでありますけれども、その執る職務は賤しい。ことに中世陵墓の制も紊れて、守戸の扶持も行き届かぬ。人口はだんだん増して来て、生活に困難を生じて来る....
「特殊部落」と云う名称について」より 著者:喜田貞吉
であるから、その主人が勢力があれば、自然と家人にも勢力が付いて来る。社会の秩序が紊れた平安朝の中頃以降では、源平武士の棟梁たる程の豪傑が、自ら摂政関白などの家人....
賤民概説」より 著者:喜田貞吉
民ではないのである。これ特に賤民として、国法上その身分を厳格に区別し、互いに相|紊れざらしめて、以て社会の秩序を正し、兼ねて所属主の財産権を擁護した所以のもので....
融和問題に関する歴史的考察」より 著者:喜田貞吉
のであって、一般庶民はほとんどこれに与りませんでした。承和といえばまだ政治もそう紊れぬ古い時代でありましたが、その九年に京都の鴨河原や島田に転がっていた髑髏の数....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
衝力を利用する密集集団方式であった。中世騎士の時代となって各個戦闘となり、戦術は紊れて軍事的にも暗黒時代となった。ルネッサンスは軍事的にも大革命を招来した。火薬....