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紋
「紋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
紋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
びに動いている。
「あのね、お祖父《じい》様にね。」
栗梅《くりうめ》の小さな
紋附を着た太郎は、突然こう言い出した。考えようとする努力と、笑いたいのをこらえよ....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
年にも似合わず眼に働きのある、品の好《い》い半白《はんぱく》の人物だった。それが
紋附でこそなかったが、見苦しからぬ羽織袴で、しかも膝のあたりにはちゃんと扇面を控....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
洋服を着用した、どこまでも開化の紳士を以て任じていた三浦にしては、余り見染め方が
紋切型《もんきりがた》なので、すでに結婚の通知を読んでさえ微笑した私などは、いよ....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
年輩こそかなり違っていたが、背恰好《せいかっこう》はよく似寄っていた。その上｜定
紋《じょうもん》は二人とも、同じ丸に抱《だ》き明姜《みょうが》であった。兵衛はま....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
《しょうたい》を直覚していた。そうしてこの根《ね》の抜けた丸髷《まるまげ》に、小
紋《こもん》の羽織の袖《そで》を合せた、どこか影の薄い女の顔へ、じっと眼を注いで....
「煙管」より 著者:芥川竜之介
よしやしちべえ》の手に成った、金無垢地《きんむくじ》に、剣梅鉢《けんうめばち》の
紋《もん》ぢらしと云う、数寄《すき》を凝《こ》らした煙管《きせる》である。
前....
「野呂松人形」より 著者:芥川竜之介
を着ているものがない。驚いた事には、僕の知っている英吉利人《イギリスじん》さえ、
紋附《もんつき》にセルの袴で、扇《おうぎ》を前に控えている。Ｋの如き町家の子弟が....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
いつまでも身動きをしない。
そこへ日本人の女が一人、静かに堂内へはいって来た。
紋《もん》を染めた古帷子《ふるかたびら》に何か黒い帯をしめた、武家《ぶけ》の女房....
「仙人」より 著者:芥川竜之介
ました。今日はさすがに権助《ごんすけ》も、初《はつ》の御目見えだと思ったせいか、
紋附《もんつき》の羽織を着ていますが、見た所はただの百姓と少しも違った容子《よう....
「白」より 著者:芥川竜之介
を巻き、黒塀の外へぬけ出しました。黒塀の外には春の日の光に銀の粉《こな》を浴びた
紋白蝶《もんしろちょう》が一羽、気楽そうにひらひら飛んでいます。
「ああ、きょう....
「葬儀記」より 著者:芥川竜之介
しながら、玄関へ来ると、誰《だれ》もいない。客間をのぞいたら、奥さんが誰だか黒の
紋付《もんつき》を着た人と話していた。が、そこと書斎との堺《さかい》には、さっき....
「たね子の憂鬱」より 著者:芥川竜之介
運んでいた。……
帝国ホテルの中へはいるのは勿論彼女には始めてだった。たね子は
紋服《もんぷく》を着た夫を前に狭い階段を登りながら、大谷石《おおやいし》や煉瓦《....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
》は、恐らく過失であろう。細川家の九曜《くよう》の星と、板倉家の九曜の巴と衣類の
紋所《もんどころ》が似ているために、修理は、佐渡守を刺《さ》そうとして、誤って越....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
。しかし主人は標札によれば、加藤清正に違いなかった。のみならずまだ新しい紺暖簾の
紋も蛇の目だった。僕らは時々この店へ主人の清正を覗きに行った。清正は短い顋髯を生....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
かりでした。 その日の夕方、日の陰る頃を見計って朝太郎の吉松殿は、牡丹に丸の定
紋のついた、立派な駕籠に乗せられて、城下の方へつれて行かれました。そして、その代....