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紋切り型
「紋切り型〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
紋切り型の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
という次第。何しろここで心中をするのだから、それだけじゃあ済みますまい。お芝居の
紋切り型で『抑《そも》や初会《しょかい》の其の日より』なぞと、口説き文句も十分に....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ちろん褒められてもいねえが、取り立てて悪くも云われねえ、世間に有りふれた次三男の
紋切り型で、道楽肌の若い者というだけの事らしいのです」 「大津屋の重兵衛はどうだ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
わゆる攘夷家の群れではなくて、ほんとうの攘夷家であるらしかった。彼等は口のさきで
紋切り型の台詞をならべるのでは無くて、生きた証拠をたずさえて飛び込んで来たのであ....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
芸妓などが柳橋あたりの河岸をあるいている、その背景には柳と蝙蝠を描くのがほとんど
紋切り型のようにもなっている。実際、むかしの江戸市中にはたくさん棲んでいたそうで....
「政治と作家の現実」より 著者:宮本百合子
・報道文学が、文学的に優秀であったろうと想像することはできない。きっと型も出来、
紋切り型の感情描写もあり、敵が貼り紙をつけた固形物のように扱われた場合もあったろ....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
由、絶妙剣と申し候!」 またもちゃあんと説明されたものだ。 「参った!」これも
紋切り型。 今度は誰も笑わなかった。人々はちょっと凄くなった。二太刀を合わせた....
「名人上手に聴く」より 著者:野呂栄太郎
局だからといって、飛車落ちの定石がそのまま適用されるものではない。お互いに定石を
紋切り型に繰り返すだけなら何の変哲もないものになってしまうだろう。上達して名人上....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
めてフョードル・パーヴロヴィッチに会釈した。
「ちぇっ、ちぇっ、ちぇっ! 偽善と
紋切り型だ!
紋切り型の文句と所作だ! 古臭い嘘っぱちと頭を地べたにくっつけるお....
「怪しの館」より 著者:国枝史郎
三人、逃げてしまった。 「あぶないところで、怪我はなかったかな?」こういう場合の
紋切り型だ、旗二郎娘へ声を掛けた。 すると娘も
紋切り型だ。「はい有難う存じまし....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
「お娘ご、お怪我はなかったかな?」 造酒はその美に打たれながら、こういう場合の
紋切り型、女の安否を気遣った。 「あぶないところでございました。でも幸い何事も。....
「現代茶人批判」より 著者:北大路魯山人
な一事を露知るところのない者たちは、道具屋は道具屋の昔からいい習わしというものの
紋切り型を口上とし、茶人は茶人でのいい習わしを
紋切り型で次代へ次代へとわけもなく....