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紋日
「紋日〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
紋日の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
になびく枝から枝に動いた。 雛の節句の前夜に外記は来た。大抵のよい客はあしたの
紋日《もんび》を約束して今夜は来ない。引け過ぎの廓はひっそりと沈んで、絹糸のよう....
「夫婦善哉」より 著者:織田作之助
出して出掛けたまま、三日帰って来なかった。ちょうど花見時で、おまけに日曜、祭日と
紋日《もんび》が続いて店を休むわけに行かず、てん手古舞いしながら二日商売をしたも....
「わが町」より 著者:織田作之助
られた勘定やな」 次郎はちょっとがっかりした。 「――活動でも見る」 「今日は
紋日で満員でしょう?」 君枝は見る気がないらしかった。 なんだかこのまま別れ....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
活きた竜宮が顕れる、この住吉の宝市には、天人の素足が見えるって言います。一年中の
紋日ですから、まあ、是非お目に掛けましょう。 貴方、一目見て立すくんで、」 「....
「今戸心中」より 著者:広津柳浪
ちょいと吉里を見返ッてすぐ脇《わき》を向いた。 「さアそろそろ始まッたぞ。今夜は
紋日《もんび》でなくッて、紛紜日《もめび》とでも言うんだろう。あッちでも始まれば....
「絶景万国博覧会」より 著者:小栗虫太郎
るだろう。それが、朋輩だった小式部さんの定紋で、たしか、公方様お変りの年の八朔の
紋日だと思ったがね。三分以上の花魁八人が、それぞれに定紋を彫った、白笄をお職に贈....
「魔都」より 著者:久生十蘭
の事
服部の時計台はまさに九時を報じ出そうとする。銀座は今が人の出盛り。
紋日々々には訳もなく銀座へ銀座へと押出して来る物欲しげな人波が、西の片側道を小波....
「勧善懲悪」より 著者:織田作之助
せず、そして、だんだん訊くと、二、三、四、六、七の日が灸の日で、この日は無量寺の
紋日だっせ、なんし、ここの灸と来たら……途端に想いだしたのは、当時丹造が住んでい....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
八百駒という青物|担売《かつぎうり》を営んでいるが、これとても出入りはおろか節季
紋日の挨拶さえなかったらしい。とはいえ、そこにある八百駒と字の入った小田原提灯が....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
まするから振ります。いくら来ても振って/\振り抜きますが、お客は来て来て来抜き、
紋日の仕舞い何やかやまで行届かし、少しも厭らしい事を云わずに帰ります。音羽の方で....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
はならなかったろうに……」しみじみ思いだされるのである。 親父は廓の遊び人で、
紋日の虎という手のつけられないあぶれ者だが、死んだ母だけは、今も温かく甘く涙ぐま....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
く色白、右の眉尻に黒子、他に特徴なし、年二十四、当時無宿、江戸浅草孔雀長屋人別、
紋日の虎五|郎娘、女賊見返りお綱。 ――右兇状の女スリ上方すじへ立廻りたる形跡....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
について稲一把ずつという例であった。また祭礼とか、正月とか、盆とか、節季とかいう
紋日にも、餅やその他の物を貰う。彼らはもと法師仲間であるが故に、それぞれ受持ちの....