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紋章
「紋章〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
紋章の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「深夜の市長」より 著者:海野十三
|目映ゆき、サイダーの栓抜きほどの大きさの鍵! それには把手のところに、T市の
紋章が浮き彫になって居り、鍵軸には「T市の鍵――T市長|恒保存之」と刻してあった....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
脇に取り除け、綸子と尚武革を斜めに貼り混ぜた美々しい装幀の一冊を突き出すと、
「
紋章学※」と検事は呆れたように叫んだ。
「ウン、寺門義道の『
紋章学秘録』さ。もう....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
邸宅ででもあったらしく、その入り口の上には今はすっかり古ぼけてしまったある一家の
紋章が表われているのが見られた。自国イタリーの有名な偉大な詩を知っていた旅の青年....
「落ちてゆく世界」より 著者:久坂葉子
五十銭で全部を堀川さんに買いとってもらいました。三万六千円とわずかでした。菊の御
紋章入りのさかずきは何故か特別、光りがよいようでした。銀の肌に私の顔がうつります....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
合掌して眠っていた。葬龕の周囲には彼女の家族の人たちが立っていた。召使いらは肩に
紋章入りのリボンを付けた黒の下衣を着て、手に蝋燭を持っていた。一族――息子たちや....
「雪の女王」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
ときに、げんかんには、じゅん金のあたらしい馬車が一だいとまりました。王子と王女の
紋章が、星のようにひかってついていました。ぎょしゃや、べっとうや、おさきばらいが....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
をよく存じておりますよ。実をいうと、このわたくしの家の中にも、あなたのお父さんの
紋章や符号のついた古い品がいくつもあります。そうでしたか。いや、わたくしはあなた....
「赤格子九郎右衛門」より 著者:国枝史郎
の次に彼を驚かせたのは、少年の着ている衣裳であった。その衣裳には柬埔寨国の王室の
紋章が散らしてある。 曾て、九郎右衛門は柬埔寨へも、一二度往復したことがあって....
「銀三十枚」より 著者:国枝史郎
あ、そいつは解りません。だが日本の天保銭なども、随分大きくて重かったですよ。……
紋章が面白いじゃアありませんか」 いかにも面白い
紋章であった。 「どうです私の....
「可能性の文学」より 著者:織田作之助
ら、新感覚派運動もついに志賀直哉の文学の楷書式フォルムの前に屈服し、そしてまた「
紋章」の茶会のあの饒慢な描写となったのである。 思えば横光利一にとどまらず、日....
「書籍の風俗」より 著者:恩地孝四郎
伴うような、神への尊崇と神への敬順を具象化したような宝玉や金属で飾られた寺院本、
紋章や唐草や絡み模様などでけんらんと装われた貴族蔵本などは自ら過剰な、華飾的な此....
「バットクラス」より 著者:岡本かの子
非それも必要なものとなって仕舞っている。そして彼は客を受けるのに少くとも彼の家の
紋章が持っている(欧洲古名家
紋章録に載っている)骨董的品位にふさわしい程度には待....
「城」より 著者:カフカフランツ
いた。二人がなかへ入っていったとき、頭の上で布がぱたぱた鳴ったが、それは伯爵家の
紋章を染めぬいた旗であった。玄関ですぐに亭主に出会った。監視のために見廻っていた....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
らの家があった。彫刻された材木といい、鋸壁のある塔といい、デヴルウ家とヘラー家の
紋章や図案が賑やかに飾られた窓といい、いかにもロマンチックなその家は、アカシカ、....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
えられた鼠いろのその標石は高さは二尺にも満たないであろう。北面に鷲、南面に菊の御
紋章が浮彫りにしてあった。私は露西亜領の虎杖の草叢にもはいって見た。 北を眺め....