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紋羽
「紋羽〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
紋羽の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「闇夜の梅」より 著者:三遊亭円朝
《わっち》が能く知ってますよ」 と云いながらずっと出た男の姿《なり》を見ると、
紋羽《もんぱ》の綿頭巾を被《かむ》り、裾短《すそみじか》な筒袖《つゝそで》を着《....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
腰を屈めて、立直った束髪は、前刻から風説のあった、河野の母親と云う女性。 黒の
紋羽二重の紋着羽織、ちと丈の長いのを襟を詰めた後姿。忰が学士だ先生だというのでも....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
の前に行き、一々その引き出しを明け、おもな衣類を出して見た。大抵は妻の物である。
紋羽二重や、鼠縮緬の衣物――繻珍の丸帯に、博多と繻子との昼夜帯、――黒縮緬の羽織....
「西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝」より 著者:三遊亭円朝
/\出て往きました。其の跡へ入って来たのは怪しい姿で、猫の腸のような三尺を締め、
紋羽の頭巾を被ったまゝ、 男「春見君は此方かえ/\」 利「はい、何方ですえ」 男....
「千鳥」より 著者:鈴木三重吉
かった。 けれども、ふと机の抽斗を開けてみると、中から思わぬ物が出てきた。緋の
紋羽二重に紅絹裏のついた、一尺八寸の襦袢の片袖が、八つに畳んで抽斗の奥に突っ込ん....
「帆」より 著者:宮本百合子
う連中が来ていた。明治末葉の、漠然婦人運動者と呼ばれている人々であった。 黒い
紋羽二重の被布に、同じような頭巾をかぶったはつ子は、小さい眼を輝やかせて自分の恋....
「渋谷家の始祖」より 著者:宮本百合子
につけて、正隆の眼の前に現れた。 赤坊の時から見なれた母未亡人が、相変らず、黒
紋羽二重の被布に、浅黄の襟をかけて、小ぜわしく廊下を歩み廻るのを眺めながら、朝夕....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
やあ―― 呼ばわり連れると、ひょいひょいと三人出た……団粟ほどな背丈を揃えて、
紋羽の襟巻を頸に巻いた大屋様。月代が真青で、鬢の膨れた色身な手代、うんざり鬢の侠....
「道灌山」より 著者:宮本百合子
はつは、ある朝いきなり北海道からうちへ来た。そして、富樫とひどい喧嘩をした。紫の
紋羽二重の羽織に丸髷で、母のところへ挨拶につれて来られても、母に何か云ってくって....
「松と藤芸妓の替紋」より 著者:三遊亭円朝
来ました男は穢ないとも穢なく無いとも、ぼろ/\とした汚れ切った毛布を巻き附けて、
紋羽の綿頭巾を被って、千草の汚れた半股引を穿き、泥足|草鞋穿の儘|洋物屋の上り端....
「魔都」より 著者:久生十蘭
いのコーヒーを沸かせのと、とんだ政所《まんどころ》なんで御座います。襟垢のついた
紋羽二重の長襦袢を一ン日中引摺って、ねえ、あなた、いうことが歯痒いじゃありません....