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「納め〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

納めの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
おぎん」より 著者:芥川竜之介
事を信じている。「十字架《くるす》に懸《かか》り死し給い、石の御棺《ぎょかん》に納められ給い、」大地の底に埋められたぜすすが、三日の後《のち》よみ返った事を信じ....
海のほとり」より 著者:芥川竜之介
別《はなむけ》ならず、里見殿《さとみどの》の賜《たま》ものなるに、辞《いろ》わで納め給えと言う。」――僕はそこを読みながら、おととい届《とど》いた原稿料の一枚四....
或る女」より 著者:有島武郎
った人影の中から乳母の姿を探り出そうとせず、一種のなつかしみを持つ横浜の市街を見納めにながめようとせず、凝然として小さくうずくまる若者ののらしい黒点を見つめてい....
カインの末裔」より 著者:有島武郎
きどき》から事務所と契約して、事務所から一手に陸軍|糧秣廠《りょうまつしょう》に納める事になっていた。その方が競争して商人に売るのよりも割がよかったのだ。商人ど....
星座」より 著者:有島武郎
―そっちを綺麗にして鼻をあかしてやれという気になったのさ。で、これをまず君の方に納めて、あらためて五円にして貸してくれるわけにはいくまいかな」 「いいとも」 ....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
も慰める言葉も知らなかった。そして心とがめするもののようにスケッチ帳をふところに納めてしまった。 「じゃ行って来るよ」 「そうかい。そんなら帰りには寄って話して....
親子」より 著者:有島武郎
どの辺にあたるのか」 「藤田の小屋はどれか」 「ここにいる者たちは小作料を完全に納めているか」 「ここから上る小作料がどれほどになるか」 こう矢継ぎ早やに尋ね....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
坊さんが「日本が負けると大変だ。自分が感得している仏舎利があるから、それを日本に納めて貰いたい」と行勝師に頼みました。行勝師は一昨年帰って来てそれを陸海軍に納め....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
してくれました。 殺されたら死ぬ気でな、――大恩のある御主人の、この格子戸も見納めか、と思うようで、軒下へ出て振返って、門を視めて、立っているとな。 (おいで....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
の余り、その妻と子の白骨と、ともに、失うべからざるものの一式、余さずこの古革鞄に納めた、むしろ我が孤の煢然たる影をも納めて、野に山に棄つるがごとく、絶所、僻境を....
縁結び」より 著者:泉鏡花
、庚申堂はじまりからの附道具で、何もあなたの母様の使っておいでなすったのを、堂へ納めたというんじゃない。 それがまたどうして、ここで幻を見たろうと思うと……こ....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
って居られる母に向かって頼みました。『私の懐剣は何卒このまま私と一|緒に棺の中に納めて戴きとうございますが……。』すると母は即座に私の願を容れて、『その通りにし....
活人形」より 著者:泉鏡花
勝りたる獲物ぞかし。これあらば赤城家へ入込むに便あり造化至造妙と莞爾と頷き、袂に納めて後をも見ず比企が谷の森を過ぎ、大町通って小町を越し、坐禅川を打渡って――急....
大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
、今夜は戻ろう。』 と、理を説きて帰航を促したれば、船頭も、意|解けて、釣具を納め、錨を挙げ、暗流を下りけるが、更に再遊を約して、相分れき。 再び汽車に乗り....
本所両国」より 著者:芥川竜之介
ていないのは筆塚や石の牛も同じことである。僕は僕の小学時代に古い筆を何本も筆塚へ納めたことを思い出した。(が、僕の字は何年たっても一向上達する容子はない。)それ....