納得[語句情報] »
納得
「納得〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
納得の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
三郎はとうとう堪え兼ねて、一応医者の診脈《しんみゃく》を請うべく、ようやく病人を
納得させた。そこで取りあえず旅籠《はたご》の主人に、かかりつけの医者を迎えて貰っ....
「路上」より 著者:芥川竜之介
惑だろう。だから一まず外へ出た上で、聞く事にしようじゃないか。」
大井はやっと
納得《なっとく》した。が、卓子《テエブル》を離れるとなると、彼は口が達者なのとは....
「広津氏に答う」より 著者:有島武郎
の建立に対する指導者、教育者をもってみずから任ずべきではなく、自分の思想的立場を
納得して、謹んでその立場にあることをもって満足しなければならない。もし誤って無思....
「星座」より 著者:有島武郎
。こっちの方から話の糸口を引きだして、父の失敗が気にかけるほどのものではないのを
納得させたものだろうか、それとも話の出ないのをいいことにしてうやむやにすましてし....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
違はない。実際キリスト教の信仰はそう我々に教え、また我々の自然の常識からも容易に
納得されるのである。しかし、それにもかかわらず、植物や人間の本性を正当に理解しよ....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
は聞いていてはらはらするわ、お気を注けなさいなね。」 「ああ、そうだね、」 と
納得はしたものの、まだ何だか、不心服らしい顔色で、 「だって可いやね、皆さんが、....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
売らん、竜神が何だ、八千人がどうしたと! 神にも仏にも恋は売らん。お前が得心で、
納得して、好んですると云っても留めるんだ。 鉱蔵 (ふわふわと軽く詰め寄り、コツ....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
を視ているから、 「まあ、そんな処から。」 「そうだねえ。」 紫玉は、はじめて
納得したらしく、瞳をそらす時、髷に手を遣って、釵に指を触れた。――指を触れた釵は....
「売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
待草臥れて、雨に侘しげな様子が、小鼻に寄せた皺に明白であった。 勿論、別人とは
納得しながら、うっかり口に出そうな挨拶を、唇で噛留めて、心着くと、いつの間にか、....
「古狢」より 著者:泉鏡花
ん。」 「野郎はどうした。」 と外套氏の膝の拳が上った。 「それはね、ですが、
納得ずくです。すっかり身支度をして、客は二階から下りて来て――長火鉢の前へ起きて....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
それがために忍んでも出られまい。……当家の味淋蒸、それが好かろう。」 と小父者
納得した顔して頷く。 「では、蛤でめしあがりますか。」 「何?」と、わざとらしく....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
しておくれや。」 とて、はじめて、はらはらと落涙した。 絶入る耳に聞分けて、
納得したか、一度は頷いたが、 「私は、私は、御寮人、生命が惜いと申しません。可哀....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
あたり、ことわりもしないで、他の労業を無にするという遠慮だが、その申訳と、渠等を
納得させる手段は、酒と餅で、そんなに煩わしい事はない。手で招いても渋面の皺は伸び....
「燕と王子」より 著者:有島武郎
びしゅうございますから」 ともっともな事を親切に言ってくれたので、燕もとうとう
納得して残りおしさはやまやまですけれども見かえり見かえり南を向いて心細いひとり旅....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
ることはないと確信し、みずから安心しているものの、兵に、世人に、更に外国人にまで
納得させる自信を得るまでは安心できないのである。一時は筧博士の「古神道大義」とい....