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「納戸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

納戸の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
煙管」より 著者:芥川竜之介
》なのに驚いた。しかし御用部屋《ごようべや》の山崎|勘左衛門《かんざえもん》、御納戸掛《おなんどがかり》の岩田|内蔵之助《くらのすけ》、御勝手方《おかってがた》....
或る女」より 著者:有島武郎
だん》があったり、日当たりのいい中《ちゅう》二階のような部屋《へや》があったり、納戸《なんど》と思われる暗い部屋に屋根を打ち抜いてガラスをはめて光線が引いてあっ....
国貞えがく」より 著者:泉鏡花
「それでは、母親《おっかさん》、御苦労でございます。」 「何んの、お前。」 と納戸《なんど》へ入って、戸棚から持出した風呂敷包《ふろしきづつみ》が、その錦絵《....
婦系図」より 著者:泉鏡花
、」 と云う内に、吾妻下駄が可愛く並んで、白足袋薄く、藤色の裾を捌いて、濃いお納戸地に、浅黄と赤で、撫子と水の繻珍の帯腰、向う屈みに水瓶へ、花菫の簪と、リボン....
追憶」より 著者:芥川竜之介
う因縁によったものか、父や母さえも知らないらしい。しかしいまだに僕の家には薄暗い納戸の隅の棚にお狸様の宮を設け、夜は必ずその宮の前に小さい蝋燭をともしている。 ....
海異記」より 著者:泉鏡花
ちょうど今時分、秋のはじめが初産で、お浜といえば砂さえ、敷妙の一粒種。日あたりの納戸に据えた枕蚊帳の蒼き中に、昼の蛍の光なく、すやすやと寐入っているが、可愛らし....
絵本の春」より 著者:泉鏡花
。 「肥っていても、湯ざめがするよ。――もう春だがなあ、夜はまだ寒い。」 と、納戸で被布を着て、朱の長煙管を片手に、 「新坊、――あんな処に、一人で何をしてい....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
ね。) って言いながら、やがて小鉢へ、丸ごと五つばかり出して来ました。 薄お納戸の好い色で。」 二十七 「青葉の影の射す処、白瀬戸の小鉢も結構....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
けれど、気高いんでございますよ。 同じ人間もな……鑄掛屋を一人土間で飲らして、納戸の炬燵に潜込んだ、一ぜん飯の婆々媽々などと言う徒は、お道さんの(今晩は。)に....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
だ同然で、でっち上る。「友さん腸をおいて行きねえ。」婆さんの方でない、安達ヶ原の納戸でないから、はらごもりを割くのでない。松魚だ、鯛だ。烏賊でも構わぬ。生麦の鰺....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
れがちに差向ったより炉の灰にうつくしい面影が立って、その淡い桔梗の無地の半襟、お納戸|縦縞の袷の薄色なのに、黒繻珍に朱、藍、群青、白群で、光琳模様に錦葉を織った....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
目を注いだ。 「おや!」 「…………」 六 黒の唐繻子と、薄鼠に納戸がかった絹ちぢみに宝づくしの絞の入った、腹合せの帯を漏れた、水紅色の扱帯にの....
黒百合」より 著者:泉鏡花
て入った猟犬をまず見着けたのは、当|館の姫様で勇美子という。襟は藤色で、白地にお納戸で薩摩縞の単衣、目のぱッちりと大きい、色のくッきりした、油気の無い、さらさら....
瓜の涙」より 著者:泉鏡花
をぐたりと横に、框から縁台へ落掛るように浴衣の肩を見せて、障子の陰に女が転がる。納戸へ通口らしい、浅間な柱に、肌襦袢ばかりを着た、胡麻塩頭の亭主が、売溜の銭箱の....
葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
りの鹿の子の切、浅葱と赤と二筋を花がけにしてこれが昼過ぎに出来たので、衣服は薄お納戸の棒縞糸織の袷、薄紫の裾廻し、唐繻子の襟を掛て、赤地に白菊の半襟、緋鹿の子の....