納所[語句情報] » 納所

「納所〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

納所の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
付くでしょう。その古寺へ四、五年前から二人の出家がはいり込んで来て、住職は全達、納所《なっしょ》は全真、この二人が先ず居すわることになりました。勿論、貧乏寺で碌....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
で、吉五郎は留吉を抱くようにして墓場を出た。寺の玄関へ廻って案内を乞うと、奥から納所《なっしょ》が出て来た。留吉はさっき提灯を借りに行ったので、納所もその顔を識....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
した。手向かいするのをおさえて、だんだん詮議いたしますと、深川海辺河岸の万華寺の納所《なっしょ》あがりで、良住という者でございました。御承知の通り、万華寺の住職....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
店から、五、六軒先の法衣屋《ころもや》の筋向うに徳法寺という寺があります。そこの納所《なっしょ》あがりに善周という若い坊主がいる。娘の死んだ明くる朝にやっぱり頓....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
あとを受けついで、これまでに変った噂もきこえなかった。ほかに善了という二十一歳の納所《なっしょ》と、英俊という十三歳の小坊主と、伴助という五十五歳の寺男と、あわ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
路用がねえ。そこらを四、五日うろ付いた揚げ句に、宗慶寺という寺へはいって、住職と納所《なっしょ》に疵を負わせて十五両ばかりの金を取ったのから足が付いて、ゆうべ板....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
た。「内心如夜叉どころか、夜叉神の面をかぶって悪事を働きやがる。貴様は一体どこの納所坊主だ。素直に云え」 普通の出家の姿であったならば、なんとか云い訳もあった....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
りの死骸を紛失させるとは、飛んだことですね」と、半七は詰問するように云った。 「納所の了哲に番をさせて置いたのですが……」と、僧も面目ないように云った。「その了....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
厭がりますから、そこで私が案内する、と背後からぞろぞろ。その晩は、鶴谷の檀那寺の納所だ、という悟った禅坊さんが一人。変化出でよ、一喝で、という宵の内の意気組で居....
縷紅新草」より 著者:泉鏡花
ね。……その勢だから……向った本堂の横式台、あの高い処に、晩出の参詣を待って、お納所が、盆礼、お返しのしるしと、紅白の麻糸を三宝に積んで、小机を控えた前へ。どう....
後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
二、一人二役、――胎龍かそれとも 朔郎を去らせてから引続きこの室で、柳江、納所僧の空闥と慈昶、寺男の久八――と以上の順で訊問する事になった。褪せた油単で覆....
死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
せながら動き出した。 此時、突然、向河岸の蘆間に、大入道の姿が出現した。鼠地の納所着に幅細の白くけ帯を前結びにして、それで尻からげという扮装。坊主頭に捻鉢巻を....
夫人利生記」より 著者:泉鏡花
が遠く静に聞えた。 庫裡に音信れて、お墓経をと頼むと、気軽に取次がれた住職が、納所とも小僧ともいわず、すぐに下駄ばきで卵塔場へ出向わるる。 かあかあと、鴉が....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
した。とにかく、廚裡へ案内して、拝見……を願おうと……それにしても、竹の子上人は納所なのかしら、法体した寺男かしら。…… 女神の簪の音を、わざとでなく聞こうと....
俗法師考」より 著者:喜田貞吉
としては、もっとも適当なものである。『坊目考』に、 公納堂町 当所は新元興寺之公納所なり。今興福寺唐院のことし。封戸料米等を納るる所の正倉院なり。 享禄二年七郷....