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納骨
「納骨〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
納骨の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「階段」より 著者:海野十三
ら立ち上って一緒に廊下へ出た。学術雑誌で名前を知っている偉い博士たちの研究室が、
納骨堂の中でもあるかのように同じ形をしてうちならび、白い大理石の小さい名札の上に....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
と梢に鳴いて、まるで墓場のように無気味であった。木造の背の高い古ぼけた各教室は、
納骨堂が化けているようであった。そしてどの窓も真暗であった。ただ一つ、消し忘れた....
「死のなかの風景」より 著者:原民喜
、骨壺を抱えて郷里の墓地の前に立ったときも、附纏《つきまと》ってくるようだった。
納骨のために墓の石も取除かれたが、彼の持っている骨壺は大きすぎて、その墓の奥に納....
「B教授の死」より 著者:寺田寅彦
た。 遺骸は町屋の火葬場で火葬に付して、その翌朝T老教授とN教授と自分と三人で
納骨に行った。炉から引き出された灰の中からはかない遺骨をてんでに拾いあつめては純....
「おいてけ堀」より 著者:田中貢太郎
本所のお竹蔵から東四つ目通、今の被服廠跡の
納骨堂のあるあたりに大きな池があって、それが本所の七不思議の一つの「おいてけ堀」....
「窓にさす影」より 著者:豊島与志雄
…。」 叔母さんは微笑しただけだったが、仏壇の方をじっと見やった。 「明日、御
納骨でしょう。」 「ええ、そうらしいわ。」 叔母さんはちょっと眼を据え、何やら....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
ちらこちらと歩きまわった。廊下にころがっている小石が、時たま彼の足さきにふれて、
納骨堂で骨が触れあうような冷たい音を立てた。壁の破れ目から、うっすらとした冬の陽....
「ヴェルダン」より 著者:野上豊一郎
が付いている。ドーモンの塁砦を東北に見はるかす高地の上に素晴らしく大きな蒲鉾型の
納骨堂が横たわり、その中央に高い燈台塔が立っている。そうしてその前面の斜面に白い....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
とだけだった。その私が今、こういう腐敗の原因と過程を調べることになって、穴ぐらや
納骨所のなかで日夜をすごすことを余儀なくされたのだ。私の注意は、人間感情の繊細さ....
「鬼」より 著者:織田作之助
、親戚の者にたのんで、原稿を書いていたという。随分細君には惚れていたのだが、その
納骨を二年も放って置いて、いまだにそれを済ませないというズボラさである。 仕事....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
仕事と読書と祈祷と音楽とで暮らしています。先日お絹さんの母が亡くなりまして、今朝
納骨式に地三をつれて里へ帰りました。今日はたいへんな嵐で海が荒れています。 今....
「葛飾土産」より 著者:永井荷風
でいる。一際《ひときわ》こんもりと生茂《おいしげ》った林の間から寺の大きな屋根と
納骨堂らしい二層の塔が聳えている。水のながれはやがて西東に走る一条の道路に出てこ....
「むかでの跫音」より 著者:大倉燁子
蔭口を、時には故意と聞えよがしに云うのを耳にしながら、平然として告別式に列席し、
納骨式に拍手を拍って祝詞を捧げる彼だ。伯父の死も謎かも知れないが、私の目の前にい....
「情鬼」より 著者:大倉燁子
務所の方向を指しながら、親切に教えてくれた。 「お参りなら、管理事務所に頼んで、
納骨堂に案内しておもらいなさるとよござんすよ」 教えられた通り、管理事務所の扉....
「墓場」より 著者:西尾正
掘り上げて行きました。三つの巨大な御影石の板から出来ている表面を苅りとってから、
納骨壺を見ようと後へ退りました。スティヴンは何か心の中で計算をしているようでした....