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紐
「紐〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
紐の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「父」より 著者:芥川竜之介
の妙な男を見た。男は少し反《そ》り身になりながら、チョッキのポケットから、紫の打
紐《うちひも》のついた大きなニッケルの懐中時計を出して、丹念《たんねん》にそれと....
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
るいとまはない。水干《すいかん》の袖《そで》はちぎれ、烏帽子《えぼし》はむなしく
紐《ひも》をとどめて、ずたずたに裂かれた袴《はかま》も、なまぐさい血潮に染まって....
「春」より 著者:芥川竜之介
に似た何ものかを感じたのも事実だった。しかし辰子は無頓着《むとんじゃく》に羽織の
紐《ひも》をいじりいじり、落ち着いた声に話しつづけた。
「田舎《いなか》の家《う....
「不思議な島」より 著者:芥川竜之介
中は野菜の売れる祈祷の言葉を唱《とな》えているのです。何しろ最近の新聞によると、
紐育《ニュウヨオク》あたりのデパアトメント・ストアアはことごとくあのカメレオンの....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
ゃないか?」
「ええ、まあそんな見当です。」
神山はにやにや笑いながら、時計の
紐《ひも》をぶら下げた瑪瑙《めのう》の印形《いんぎょう》をいじっていた。
「あん....
「路上」より 著者:芥川竜之介
「何、どうせ今日は遊んでいる体なんです。」
俊助は手ばしこく編上《あみあげ》の
紐をからげると外套を腕にかけたまま、無造作《むぞうさ》に角帽を片手に掴《つか》ん....
「道祖問答」より 著者:芥川竜之介
細《しさい》らしく坐っている。朦朧《もうろう》とはしながらも、烏帽子《えぼし》の
紐を長くむすび下げた物ごしは満更《まんざら》狐狸《こり》の変化《へんげ》とも思わ....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
、十《とお》には足りない童児《どうじ》であった。ある者は肌も見えるくらい、襟や裳
紐《もすそひも》を取り乱した、寝起きらしい娘であった。そうしてまたある者は弓より....
「或る女」より 著者:有島武郎
《あか》になった薩摩絣《さつまがすり》の着物を着て、観世撚《かんぜより》の羽織|
紐《ひも》にも、きちんとはいた袴《はかま》にも、その人の気質が明らかに書き記《し....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
は心を凝らして化粧をした。「クララの光りの髪」とアッシジで歌われたその髪を、真珠
紐で編んで後ろに垂れ、ベネチヤの純白な絹を着た。家の者のいない隙に、手早く置手紙....
「田端日記」より 著者:芥川竜之介
人迷惑なものはない。 家へ帰ったら、留守に来た手紙の中に成瀬のがまじっている。
紐育は暑いから、加奈陀へ行くと書いてある。それを読んでいると久しぶりで成瀬と一し....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
変怪なものかしらんと驚いて了いました。 最う一つおかしいのは肉体と幽体との間に
紐がついて居ることで、一|番太いのが腹と腹とを繋ぐ白い
紐で、それは丁度小指位の太....
「諸国の玩具」より 著者:淡島寒月
五、六十の面を掛けて、僕のその頃の着物は、袂の端に面の散し模様が染めてあって、附
紐は面継の模様であったのを覚えています位、僕が面好きであったと共に、玩具屋にも種....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
の紙をはぎあわせてあるのもあった。不在のときには、きわめて巧妙に、細枝でつくった
紐でしっかりとドアの取っ手をしばりつけ、鎧戸には心張棒がかってあった。したがって....
「罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
のようなものの四方に、肘を懸ける所にも、背中で倚り掛かる所にも、脚の所にも白い革
紐が垂れていなくって、金属で拵えた首を持たせる物がなくって、乳色の下鋪の上に固定....