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「紐帯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

紐帯の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
石狩川」より 著者:本庄陸男
観念であった。しかし今日は異《ちが》った。しかしまた、事ここに到っては、再びその紐帯《ちゅうたい》にたよって――つまりはその関係を利用することによって、刻下の危....
旅愁」より 著者:横光利一
ギリシアの主知主義を導き入れた。彼は、人間というものは霊的世界と物質世界をつなぐ紐帯物だと眺め、神の世界に入るためには、人人の感覚の受け取る物質の秩序を科学的に....
夜の靴」より 著者:横光利一
らない。眼に映る山襞が胃の内部にまで縛りつづいて来ているように見える、ある何かの紐帯を感じる刻刻の呼吸で、山波の襞も浸蝕されつつあるように痛んで来る。切断されよ....
思想としての文学」より 著者:戸坂潤
脚することに終って了うだろう。――ここにとに角、公式と性格とを結びつける合理的な紐帯があるのである。 さて以上は、科学的概念の側から見たのであったが、文学的表....
海水浴」より 著者:寺田寅彦
海水着などというものはもちろんなかった。男子はアダム以前の丸裸、婦人は浴衣の紐帯であったと思う。海岸に売店一つなく、太平洋の真中から吹いて来る無垢の潮風がい....
哲学入門」より 著者:三木清
かような社会において習慣的に行われる知識であり、常識そのものがまたかような社会の紐帯となっている。常識は閉じた社会に属するものである故に、一つの社会における常識....
人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
これらのものは最初は親の種族に恭順を致したことであろう。しかしまもなく彼らを結ぶ紐帯はほとんどなくなり、そしてその力、その野心、またはその便宜の支持するところに....
経済学及び課税の諸原理」より 著者:吉田秀夫
加することによって、それは一般的便益を公布し、そして利益と交通という一つの共通の紐帯によって、文明世界を通じて諸国民の普遍的社会を結成する。葡萄酒はフランス及び....
大会を終りて」より 著者:中井正一
ようやくその姿を消して、もはや、この量、この質にあっては、人々を結ぶものは心理的紐帯でもってつなぐには、あまりにも巨大なるものに発展してしまったのである。 か....
黒田清隆の方針」より 著者:服部之総
す。この「脅迫的教書」は、「ことのなりゆきでは、アメリカ大陸とヨーロッパ列強との紐帯《ちゅうたい》が、断ち切られるのは遠くない」と言明している。そのような空気の....
三国志」より 著者:吉川英治
禁している鉄梯子へ片足をかけた。 「こらっ。どこへ行く」 ひとりは、張飛の腰の紐帯をつかんだ。他の関門兵は、槍をそろえて向けた。 張飛は、髯の中から、白い歯....