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「純乎〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

純乎の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
創作家の態度」より 著者:夏目漱石
、気がついて見ると、客観、主観両方面の文学には妙な差違が籠《こも》っております。純乎《じゅんこ》として真のみをあとづけようとする文学に在《あ》っては、人間の自由....
渋江抽斎」より 著者:森鴎外
。また縦い未来において英文の科が設けられるにしても、共に入学した五十四人の過半は純乎たる漢学諸生だから、スペルリングや第一リイダアから始められなくてはならない。....
暗黒公使」より 著者:夢野久作
旅行免状を返却されながら次の如く訓戒をされました。 「……お前を悔悟せしめたその純乎たる大和民族の血を以て、今後、国家のために報恩的の奉仕をせよ。お前の妻ノブ子....
能とは何か」より 著者:夢野久作
ちを刺戟して、新生面を打開させるだけの偉大深刻な尖鋭さをもっている。 だから、純乎たる芸術価値のみを目標として、五百年の長い間俗家に媚びず……換言すれば興行本....
十二支考」より 著者:南方熊楠
ざれど容易《たやす》く制止し得る、南米曠野の野馬は数百年間人手を離れて家馬の種が純乎たる野馬となったのだが、それすらガウチョス人上述の法を以て能く擾しおわる。イ....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
つにわれらの間の友情はかの熱愛せる男女の恋にも勝りていかに纏綿として離れがたく、純乎として清きよ。夜半夢破れて枕に通う春雨の音に東都の春の濃やかなるを忍ぶとき、....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
つお買いになっては……」 「へ、へ、へ」 前のよりはいっそう人のよかりそうな、純乎《じゅんこ》たる素人が、ワナを眼の前につきつけられて、まんざらでもない心持。....
瘠我慢の説」より 著者:福沢諭吉
して、国民最上の美徳と称するこそ不思議なれ。故に忠君愛国の文字は哲学流に解すれば純乎《じゅんこ》たる人類の私情《しじょう》なれども、今日までの世界の事情において....
獅子舞雑考」より 著者:中山太郎
西域の亀茲《きじ》国の舞楽が、支那の文化とともに、我国に渡来したのであると云う、純乎たる輸入説である。柳田先生の所論は、我国には古く鹿舞《シシマイ》と云うものが....
木綿以前の事」より 著者:柳田国男
ある。一たび石臼の目立ての村に入り込む時代がくると、是が彼らに調法がられ、手杵が純乎たる兎の持物になってしまった事情も想像するに余りがある。関東地方の粉の需要は....