純情[語句情報] » 純情

「純情〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

純情の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
寄せるため帆村探偵の案出した手だった。戸浪は、探偵小説家の名を汚し、彼の変態的な純情(?)に殉じた、とでも結んで置きますか、ねえ帆村さん」 帆村は静かに笑った....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
ころを与えたろうか」 「あれっ! 知らないんですか。おとうさんのあの気位だとか、純情だとかいうものは、みなおかあさんのいのちから汲み出したものじゃありませんか。....
大脳手術」より 著者:海野十三
もう近づくなよ。そんなところへ出入りをしていると、末にはとんでもない目にあうぞ」純情一本気の友は、私を睨みつけるようにしていった。 「君も一度、和歌宮先生に会っ....
千早館の迷路」より 著者:海野十三
記も、一ヶ月程前から始まった四方木田鶴子との交際に関する熱情と反省とが、彼らしい純情の文章で綴ってあるだけで、彼がこれから赴こうとする場所については記載がなかっ....
爆薬の花籠」より 著者:海野十三
だわ) と、房枝は、心の中で、あつい感謝をささげた。 房枝は、なにもしらない純情な少女だったのである。かりそめにも、このようなニーナたちの親切の中に、おそろ....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
さらに、江戸がるのを毛嫌いして「そうです。」「のむです。」を行る名士が少くない。純情|無垢な素質であるほど、ついその訛がお誓にうつる。 浅草寺の天井の絵の天人....
」より 著者:池谷信三郎
上に、どんな淫蕩な多情が、章魚の肢のように揺れていることか。あるいはまた、どんな純情が、夢を見た赤子の唇のようにも無邪気に、蒼白く浮んでいることか。シイカが橋を....
時代色」より 著者:岡本かの子
の雲に見惚れようとする。歪んだポーズである。此矛盾が不思議な調子で時代を彩色る。純情な恋の小唄を好んで口誦む青年子女に訊いてみると恋愛なんか可笑しくって出来ない....
巴里のむす子へ」より 著者:岡本かの子
あったろう。辱しめも忍ばねばならなかったろう。一たい、おまえは私に似て情熱家肌の純情屋さんなのに、よくも、そこを矯め堪えて、現実に生きる歩調に性情を鍛え直そうと....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
り返させることもある。要するに早死せる小児は、一方知識の点に於て損失を受け、他方純情の点に於て利益を受けていると言ってよい。が、何と言っても人生の悪戦苦闘を、首....
茶屋知らず物語」より 著者:岡本かの子
せて銭儲けをしようかとも思いましたが、二人の様子を見るのに余りに俗離れがしていて純情無垢のこどもの無邪気さに見えていながら、吹抜けてからっとした態度には、実に何....
ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
気を離れてあの娘を愛して居たってことをよく聞き取って下さいよ。フランス人の打算と純情の間に線を引くのはなかなか難かしい。ね、今日わざわざ探偵長に国境まで娘を送ら....
涸沢の岩小屋のある夜のこと」より 著者:大島亮吉
なって、さもえらそうに、いろいろのことをしゃべった。それ故そこにはあるいは青年の純情とも言いつべきものがあるかもしれない。確かにその時どきのある一個の事象に対し....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
にはなかなか考えたところがあるのでした。 人間の味というものも、結局、最後には純情素朴の童心の美しさでありましょう。しかし、ただの童心というものは、文字どおり....
深夜の客」より 著者:大倉燁子
した。夫の親友なら、妻も親しんでくれればよいが、と、思っていたのです」 「よほど純情な男なのですね」 「夢のように七八年過ぎました。冬子は従兄に仙ちゃんという若....