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純愛
「純愛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
純愛の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「奥様探偵術」より 著者:夢野久作
の性行の公明なる審判者たる資格を喪失しておられるので、そのために、いつも、正義と
純愛の高潮さるべき場面を、犬も喰わない水掛論や、猫まで逃げ出す家庭争議の場面と化....
「鏡の中の月」より 著者:宮本百合子
が、子供らは、その罰を受けなけりゃならんというのはあまり不憫です。僕の僕としての
純愛は理解して頂けると思うんだが……」 瀧子は、波立って来る心持を制して穏かに....
「暗黒公使」より 著者:夢野久作
たかを深く深く反省させられました。 妻ノブ子の純情によって……愛児嬢次に対する
純愛の再生によって……。 小生のこの時の煩悶が如何に甚だしかったかは、御賢察に....
「鼻の表現」より 著者:夢野久作
一面から見れば日本の文化程度は、形而上だけでも婦人の貞操に就いて進歩している、
純愛の原則に合致し得る迄に突き詰られ、理想化されていると云ってよろしいでしょう。....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
前編の狂暴な熱中と憎悪に対照する、穏かなしみじみとした雰囲気の中にあって、友情と
純愛とへの哀歌である。 最後に第四編(燃ゆる荊《いばら》、新らしき日)は、人生....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
「裏街」の女主人公のことなどが、思い合わされ、正統な結婚以外の男女の間は、どんな
純愛で、結び付いていようとも、結局悲しいものだと思わずにいられなかった。 八時....
「岩田夫人の死を悼む」より 著者:岸田国士
というような翳はどこにもみられない。はつきりいえば、この美しい関係は、静子夫人の
純愛と、巴絵さんの聡明さとに負うものだとは信じるが、岩田君の立場からいえば、なん....
「智恵子の半生」より 著者:高村光太郎
結核で死んでから旬日で満二年になる。私はこの世で智恵子にめぐりあったため、彼女の
純愛によって清浄にされ、以前の廃頽生活から救い出される事が出来た経歴を持って居り....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
ます。
で龍樹ヶ岳から帰りましてその夜は龍樹ヶ岳に登るの賦を作り、それから真妙
純愛観ならびに雪山にて亡き父を弔い、在せる母を懐うというような歌を作るのを仕事に....
「新童話論」より 著者:小川未明
、いかに児童文学の至難なるかを語る原因でもあります。 もし、その作者が、真実と
純愛とをもって世上の子供達を見た時には果していかに感じたでありましょうか。 貧....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
、感じていないわけではない。
多岐な、複雑な、彼女の生活と、身に燃え現わされた
純愛の炎と、唖のように無表情で、灰のように冷たく人には見せて来た自分の情熱の埋火....